”Strato−Crazy”店長KEYのひとり言
Update:2011.12.22 ご心配をお掛けいたしました!
昨日神田の店舗「ストラト・クレイジー」を暫く休業します・・・という告知をHPトップに掲載したところ、多くの皆さまからのお問合せを頂き、当店を気に掛けて頂いている方々がこれ程多くおらたと改めて認識させて頂いたと共に、一種”感動”に近い喜びを感じ至福な気持ちで一杯です(笑)
最初にしっかりご説明すれば誤解を受けずに済んだと後悔していますが、先ず前提に「お店が潰れた」とか「閉店する」とか「移転する」という事は一切ございませんのでご安心ください!
当社有限会社エイチ・アイ・ギターズは、昨今HP等でも書かせて頂いている通り、スタッフ人数が減少し、最少人員体制にて1年間業務を廻して参りました。
反面神田の店舗「ストラト・クレイジー」以外に、主に財務・経理及び海外取引を行なう埼玉の本社、商品管理・保管倉庫と、3箇所の拠点を持っており、そのすべての業務を処理するのは無理で、実際には数々の案件を積み残した状態で今日まで来てしまっております。
また、昨今の景気低迷の影響を受け、ビンテージ・ギターの価格が全般的に下がった事に起因すると思いますが、この1・2年は、以前に比べ「ストラト・クレイジー」にご来店頂くお客さまの数は、嬉しい事に格段に増えております。当然ご商談させて頂く機会や時間が増えれば、反面その他の業務を処理する時間を持つ事が出来ないジレンマにこの数ヶ月悩まされておりました。
そんな折の先日、ちょっと腰を痛めてしまいました・・・幸い大事には至らなかったのですが、現在でもギター・ケースを持ち上げる瞬間は”大丈夫かな?”と緊張する状態で、ちゃんとした治療を受けている訳ではありません。
腰は長引く・・・と経験された方々からはお話を伺っており、また既に年内あと10日間程度を残すばかり・・・また、例年1月は皆さまお仕事等がお忙しいのか、比較的暇な時期という事もあり、この時期に先ずは少し安静にして腰を完治させ、年明けからは本社での山済み状態の未処理案件を集中的に処理し、商品管理倉庫の集約化等を行なわせて頂こうと決断させて頂いた次第です。
当然日々神田の店舗「ストラト・クレイジー」内での業務もありますので、店舗シャッターが開いた状態で、中で作業を行っているケースも多々あるとは思いますが、個別にご来店頂きましたお客さまに対応出来る状態であるかは不透明なため、基本的にに神田の店舗「ストラト・クレイジー」は休業とさせて頂きます。
商品の販売、委託販売や買取り等の業務に関しては、当面は埼玉本社にて一元管理させて頂きます。
よって当社ホームページ上に掲載されている全商品は、埼玉本社扱いとはなりますが、すべて通信販売にて対応が可能です。(但し、ご来店頂き実際に音を出してご確認頂くことは出ない点は、ご了承ください)
当社通信販売は、「ショップ・ポリシー」にも書かせて頂いておりますが、商品が実際にお手元に届き、万が一お気に召さない場合には、商品受領日を含め2日以内にご連絡を頂ければ、如何なる理由であれ、キャンセル&ご返金に応じさせて頂いておりますので、お手元に届いての最終確認はして頂けるとと思います。
また、事前にご連絡を頂ければ、店頭販売時と同様に、下取り&アップグレードにも対応させて頂きますし、もちろんショッピング・クレジットも従来通りご利用頂けます。
買取りに関しても、送料着払いの宅急便にて、弊社埼玉本社宛てにお送り頂ければ、商品を受領後直ちに検品・査定を行なった上、ご指定のお電話に査定金額をご連絡させて頂きご納得頂ければ、金融機関の翌営業日にご指定のお口座へ代金をご送金させて頂きます。
委託販売に関しても、前述の買取り同様に着払いの宅急便にて埼玉本社宛にお送り頂ければ、検品後ご指定のお電話にご連絡の上、販売価格等のご相談をさせて頂いた上で、お預かりしましたギターを調整後、当社HP及びデジマートにアップの上、販売を開始させて頂きます。
店頭にてお話をさせて頂きながらのご商談が出来ないのは残念ですが、商品の詳細のご説明を含め、誠心誠意対応させて頂きたいと考えております。
ご質問やご不明な点等がございましたら、お気軽にメールもしくはお電話にてお問合せください。
お問合せ先:090−1779−3598
メール・アドレス: HIGuitars@aol.com
2012年2月初旬頃には、すべての懸案・課題をクリアーした上で、「ストラト・クレイジー」にて、また皆さんとお会い出来るの楽しみに、当面頑張らせて頂きたいと思っております。
また、以前よりお話させて頂いております、ホームページの完全リニューアル作業も着々と現在進行中です。ご期待ください!!
良いお年をお迎えください!
来年も引き続き、有限会社エイチ・アイ・ギターズ ストラト・クレージーをよろしくお願い致します。 有限会社エイチ・・アイ・ギターズ 代表取締役 岩井 宏樹
Update:2011.12.15 Vintage Fender Stratocaster Body & Neckの治具痕について
今日が12月15日ですから、12月も既に半分が過ぎてしまい、今年も残すところあと2週間足らずとなってしまいました。
年末の挨拶廻りやら忘年会を含め、公私共にお忙しい毎日ではないでしょうか?
ストラト・クレイジーは、来週の19・20日の月・火曜日は通常通りの定休とさせて頂きますが、休み明けの12月21日(水)より翌週の28日(水)まで、8日間休まず営業させて頂きます。
翌29日(木)より1月4日(水)までは年末・年始のお休みを頂き、1月5日(木)より平常通りの営業とさせて頂きます。
12月に入り、しっかり寒くなってきました・・・私は毎日家に帰っての手洗いとうがいクスリ(イソジン)を使ってのうがいを日課にしています。最少人員でお店を廻しているので風邪を引く訳にはいかない!と必死の防衛です(笑)
皆さんも風邪を引かない様に気を付けてくださいね!
今回はちょっとマニアックなテーマになりますが、ビンテージのストラトのBodyとNeckに必ず残っているテンプレート装着時の治具穴痕に関しては簡単に書かせて頂きたいと思います。
ある程度ビンテージ・ストラトに関する知識なり所有経験をお持ちの方なら「そんな事既に知っているよ〜」と一笑に伏されてされてしまうかも知れない、基本中の基本です(笑)
テンプレートとは・・・と解説を始めると切がないので、今回はザックリと「BodyとNeckの成形するための金属製の型紙のようなモノ」と理解してください。
その金属板をBodyやNeck用の平材に固定するために、BodyやNeckに穴を明けて固定します。
その後ザックリとした成形作業し終了後、固定したテンプレートを取り外しますが、当然ながらBody及びNeckにはその固定用の穴が残ります。
これを私たちは「治具痕」と呼びます。
フェンダーの様な大量生産工程でBody・Neckが加工されている以上、その「治具痕」は必ず決められた箇所に残ります。
よって「この治具痕が残っていないBodyやNeckはFender製ではない!」と断言して構わないと思います。
反面、この「治具痕」が残っているので、100%フェンダー製のBody・Neckと断定する事は出来ません。
先ずは、70年代中盤〜後半のチャンドラー製のBody&Neckは、フェンダーとライセンス契約を交わして、その形状を自社製品に反映し、またBody・Neck単体でもアフター・マーケット用パーツとして供給しており、その時期のチャンドラー製品には、フェンダー同様の治具痕が残っています。
また、前述しました通り、今回の「テンプレート治具痕」はビンテージ・フェンダーのBody&Neck識別の基本中の基本で、ある程度詳しい方なら皆さんがご存知の項目なので、仮にフェイクモノを作る職人であれば、当然ながらその点は抜かりなく自身の作品に反映させていると思われます。
では、以下ザックリとBody・ネックのテンプレート用治具痕に関して具体的に書かせて頂きます。
何れにしても、画像を見て頂くのが一番だと思います。
Bodyに関しては、以前リフィニッシュを依頼されて塗装を剥離した状態で資料用に治具痕を撮影した画像がありますので、その画像に添って書かせて頂きます。
Bodyのテンプレート治具痕
Bodyトップに2ヶ所、Bodyバックに2ヶ所あります。
画像の通り、直径約3mm程の穴で、Bodyの場合はテンプレートを外した後に、しっかりと穴は埋められています。
Bodyトップのネック・キャビティー近傍の治具痕は、ピックガードに隠れ通常は外観上の識別は困難です。それ以外の3ヶ所の治具痕も、70年代の「ナチュラル」フィニッシュ以外では、塗装に隠れ、簡単には認識出来ないかも知れません・・・でも予め場所が判っていて探すと、結構しっかり見つけられるものです(笑)
因みに本Bodyのテンプレート用治具痕ですが、フェンダー社が1977年にBody加工にNCルーターを設備導入した以降は廃止されています。
Neckのテンプレート治具痕
ネック裏に2ヶ所あります
50代メイプルNeck
60年代ローズNeck
70年代3ボルト・メイプルNeck
以上50年代・60年代・70年代と主要な各ネックを見て頂きましたが、すべて「4弦チューナー下」と「ネック裏」に各1ヶ所ずつ存在します。
Bodyの治具痕はNCルーター導入の77年以降姿を消しますが、Neckの治具痕はその後も継続して残っています。
Neckの治具痕の特長は、Bodyが穴をしっかり埋めてあるのに対し、一般に見えない箇所のため、埋めずにそのまま放置されている点にあります。
面白いのが、各年代共にチューナーをシャーラーやグローバー等のロートマチック・タイプに変更し、その後オリジナルのクルーソンに戻し、明けられたロートマチック・チューナー固定用のネジ穴を補修する際に、ビンテージ・ストラトに詳しくないリペア・マンの作業の場合、4弦チューナー下にある治具痕穴も、チューナー交換等のその後手が加わった箇所と誤解され、他のスクリュー痕と同様に、丁寧に埋められいる個体も多く目にします(笑)
また、この2ヶ所の治具痕の穴は、そのまま手が加わっていない箇所なので、その後Neckがリフィニッシュされたり、オーバー・スプレーがされれば、その箇所にもその痕跡が出ますので、私自身はギター検品時には必ず慎重にチェックしますよ!
ネックのこの治具痕の話をする場合、レフティーNeckに関して触れないのは片手落ちとなります。
フェンダーがネック材にテンプレートを装着して成形を行なう時点では、Neck自体はまだ「右用」・「左用」に分別されていません。よって右用・左用Neck共に、上記2ヶ所の決められた位置に治具痕の穴は残ります。
その後、成形されたネック材が「右用ネック」に使用された場合、残された2ヶ所の治具痕の穴は、チューナーをセットし、ネックをギターに組み込んだ時点で見えなくなりますので、手は加えられません。
反面、成形されたネック材が「左用ネック」に使用された場合、残された2ヶ所の治具痕穴は、完全に露出してしまうため、Body同様に塗装前に穴埋め作業が行われます。
56年レフティー・メイプルNeck
58年レフティー・メイプルNeck
71年4ボルト・1ピース・メイプルNeck
上記はすべてメイプルNeckのため、18フレットに埋木が確認できます。反面当然ですが、ローズ指板Neckはネック成形後にローズの指板を貼りますので、テンプレートの治具痕は残りません。
更に面白いのが、3・4弦のチューナー間に設定された治具穴の痕は、ヘッド成形のバラツキなのだと思いますが、埋木が残っているモノと、完全に痕跡がないモノの両仕様が現存します。
56年製レフティー・メイプルNeck(治具痕なし)
58年レフティー・メイプルNeck(治具痕なし)
62年レフティー・スラブロースNeck(治具痕あり)
70年レフティー・貼りメイプルNeck(治具痕あり)
71年レフティー・4ボルト・1ピース・メイプルNeck(治具痕なし)
繰り返しますが、本治具痕がないBody・Neckはフェンダー製ではないと疑ってください。反面、この治具痕があってもフェンダー製とは限りません。
最終的には、その他の細かい仕様を検証して年代を含めて特定作業を進めて行きます。
ご参考になれば幸いです!
あと2週間、風邪を引かない様に頑張りましょうね〜
Update:2011.10.22 72年製ストラトキャスター仕様概要 その2
この数日涼しさが増し、一気に”秋”模様となりましたね!
今日は一転して強めの雨が降っています・・・寒さも一段と強くなっています。
私が何かとお世話になっている総合病院でも、20日からインフルエンザの予防接種が始まりました。
皆さん、風邪には十分に気をつけてくださいね!
反面スーパー等でクリスマス・ケーキのカタログが配布され、デパートでは「おせち」の予約販売やお歳暮の受付が始まったりで、もう年末・年始を感じる時期になってきました。
確かにあと2ヶ月ちょっとで今年も終わり・・・と考えると、1年って本当に早いですね〜
前回に続き、72年製ストラトキャスターの仕様に関して書かせて頂きます。
71年にネックとボディーの固定方法が4点止めから3点止めへと、かなり大きな仕様変更を受けたストラトキャスターですが、72年の1年間の間でも何箇所もの大小の仕様変更が反映されています。以下項目(パーツ)別に詳細を書かせて頂きますね!
*ストリング・ガイド
世間一般に72年の一番大きな仕様変更と認識されている項目で、ヘッドに装着されているストリング・ガイドが、従来の1・2弦に装着されている1ヶから、3・4弦用に更に1ヶ追加され2ヶに変更されます。
1ヶのストリング・ガイド装着仕様を「72年前期仕様」、2ヶのストリング・ガイド装着仕様を「72年後期仕様」と分けて表現する場合も多く、外観上も前期仕様は簡単に識別可能です。
ストリング・ガイドが2ヶに変更される時期ですが、ネックのデイティング上では、72年9月スタンプの1ストリング・ガイドNeckは確認出来ています。
(但しネック・デイトはネック塗装工程前で打たれ、反面ストリング・ガイドは組上げの最終工程に近い段階で装着されるため、時期にズレが生じていると思われます)
*トレモロAssy
71年の3点止めネックの採用と前後し、ストラトキャスターのトレモロAssyも、従来の2ピースのスティール製トレモロ・ブロック+スティール製プレス・サドルに対し、ダイキャスト(亜鉛合金)製一体ブロック+サドルの仕様変更が採用され、金型段取りが開始されました。
本トレモロAssyの仕様変更は大幅コスト・ダウンとなったと考えられ、80年代中頃の通称”スミス・ストラト”までの10数年間の長きに渡って採用されます。
但し、ダイキャスト金型手配は同時期に行なわれても、部品形状が簡単で小さいサドル用の金型が先に完成し、部品加工が先行して始まりギターへも採用も先行されます。
またダイキャスト一体ブロックに関しても、72年の一時期のみ通常とは異なる仕様が採用された時期があり、結果的に以下の通り、72年に関しては以下の通り、僅か1年間の間に4仕様が存在する結果となってしまいました。
1)従来の2ピース・スティール製ブロック+スティール製プレス・サドル仕様
71年製の3ボルト・ネックの殆どのストラトに関しては、従来通りの本トレモロAssyが装着されていると思われます。
また当社データー上でも、72年1・2月という比較的若いネック・デイティングの固体には、装着されているケースが多いと思います。
2)従来の2ピース・スティール製ブロック+新型ダイキャスト製サドル仕様
新採用のダイキャスト製トレモロAssyへの移行期の過渡期の仕様
トレモロ・ブロックとサドルのダイキャストの鋳造金型を同じタイミングで段取り手配をかけ、当然小さいく比較的形状もシンプルなサドル用の金型が先に完成します。
金型が完成次第パーツ製造を始めた、結果的にサドルの方が先に部品としての形になり、従来のスティール・ブロックとの組み合わせという仕様が誕生した訳です。
当社のデーター上でも72年3・4月頃のネック・デイティングのギターに装着されていました。
また、同様に新採用のダイキャスト一体ブロックに、スティール製プレス・サドルが組み合わされたケースも過去に見たことはありますが、私自身は、この組み合わせに関しては、ギター出荷後何らかの事情で、従来のスティール製トレモロ・ブロックが、ダイキャスト一体ブロックに交換され、出荷前のFender社の作業では有り得ないと考えております。
3)初期特殊形状のダイキャスト一体ブロック+ダイキャスト製サドル仕様
ダイキャスト製一体ブロックの最初期品は、トレモロ・アームを装着する穴がブロックを貫通していない形状をしています。
その後私達が普段良く目にする、トレモロ・アーム装着穴がブロックを貫通する、従来の仕様に短期間で仕様変更されます。
実際に前述のパターン1)や2)同様に、72年のかなり若いネック・デイティングのあるギターに装着されているケースが殆どですが、実際には流通量は極端に少なく、目にする機会も相当に少ないと思います。
何故直ちに仕様変更されたのかを含め、詳細は不明ですが、ダイキャスト製一体ブロック採用と同じタイミングで、アーム固定の目的で、トレモロ・アーム装着穴内にスプリングが挿入されています。その辺が仕様変更の理由かも知れませんね・・・
4)ダイキャスト製一体ブロック+ダイキャスト製サドル仕様
70年代を通して私達が広く認識しているトレモロAssyに落ち着きます。
時期的限定は困難ですが、72年製5月のネック・デイティングの固体で、既に本仕様となっているため、前述の1)〜4)の過渡期の仕様すべてを含め、72年前半の数ヶ月間での出来事ではなかったか・・・と私は考えております。(何れにしても、2ストリング・ガイドの「72年後期仕様」では既に正規ダイキャスト製トレモロAssyが採用されていると考えて間違いないと思います)
*ピックアップ・デイティング
69年製のピックアップより、PUの裏側のグレイのファイバー紙の上に4桁のデイティング・スタンプを打つようになりました。
72年製のピックアップも69年以降の仕様・製法が踏襲されていますが、72年中頃に従来の4桁のデイト・スタンプが、5桁ないし6桁のスタンプに変更されています。
変更理由は、フェンダー社内でのPU製造の心臓部であるPUワイヤーのワインディング・マシンが増設されたからだと考えられます。
69年より開始された4桁のスタンピングですが、最初の1桁目の数字がフェンダー社内のPUワインディング・マシンのナンバー、その後の2桁がワインディングされた週、最後の1桁がワインディングされた年を表わすと言われています。
つまり「5389」という4桁のスタンプの場合、69年38週目に#5のワインディング・マシン製造品と特定出来る訳です。
72年中頃にフェンダー全体での製造・出荷本数も増えたのでしょう・・・結果従来の1桁(9台以下)のワインディング・マシンでは全PUの製造が間に合わず、設備増強され、結果従来の4桁のスタンピングでは表現出来なくなり、5なしは6桁に変更されたのだと思われます。
この場合、5桁の場合には最初の1桁、6桁の場合にはさいしょの2桁の数字がワインディング・マシン#を表わします。
その後の2桁は4桁時と同じく、製造週を表わします。
また、4桁スタンプ期には、1桁で表現されていた製造年ですが、5ないし6桁に以降されてからは、最後の2桁を用いて製造年を表現するようになりました。
つまり「53072」の場合、72年30週目に#5のワインディング・マシンで製造されたPU、同様に「124572」の場合、72年45週目に#12のワインディング・マシンで製造された・・・となる訳です。
*ポット・デイティング
50年代から60年代中頃、フェンダー社はスタッグポール社製のポットを1社採用していましたが、63年後半よりCTS製を採用し、2社購買に変更されています。
ヴィンテージ・フェンダーにある程度知識をお持ちの方は、ポットのデイティングで、スタッグポール製が”304”の3桁、CTS製が”137”の3桁でメーカー特定を行なう、メーカー・コードだという事は既にご存知だと思います。
本72年製ストラトキャスターの場合、使用されているポットはCTS製1社となり、デイティングは137−7204という具合になります。
本コードの読み方ですが、最初の3桁の”137”はCTSメーカー・コードとなり、次の2桁が製造週、最後の2桁が製造年を表わしますので、前述の「137−7204」の場合、72年4週目にCTSにて製造された・・・となります。
72年製ストラトの場合、その後半に一部CTS・メキシコ工場品が組み込まれます。
想像するに、CTSのメキシコ工場が生産が始まり、CTS側として製造地特定と行なう必要がり、デイティングに追加されたと考えられます。
具体的には、従来の”137”のメーカー・コードを示す3桁スタンプ部分の文字が小さくなり2列表記となり、上段に”MEXICO”、下段にCTSを示す”137”がスタンプされます。続く4桁の製造年&週表記部分は変更なく7248・・・とういう具合に続きます。
このメキシコ工場スタンプですが、何故か72年後半の一部のストラトには搭載されていますが、73年製以降では見る事が出来ません・・・詳細は不明です。
ポット内に別の表記方法を工夫したのか、工場別の記載をCTSが止めたのか・・・当時の時代背景ないを考えらなら色々と想像するのは面白いですよね!
前回・今回と2回に分けて72年製ストラトキャスターの仕様概要を書かせて頂きましたが如何でしたか?
同様に73年製ストラトキャスターも細かく仕様変更を受けていますので、また機会がありましたら、今回同様に取り上げて深く掘り下げてみたいと思います!
Update:2011.10.20 72年製ストラトキャスター仕様概要 その1
先日72年初期の1ストリング・ガイド仕様のかなり程度の良いオリンピック・ホワイト/メイプルNeckモノが入荷しました。
前回同様に1ストリング・ガイド仕様のオリンピック・ホワイト/ローズNeckが入荷した際にもHPに商品説明でコメントしましたが、やはり1ストリング・ガイドの72年初期仕様のカスタムカラー物は数が少なく、滅多に流通する事はないと思います。
そんな訳で、今日は72年製のストラトキャスターの仕様概要に関して書かせて頂きたいと思います。
昨年の本ブログにて前年の71年製ストラトキャスター仕様に関して書かせて頂いたのは記憶にございますか?(ご覧になっておられない方は是非バック・ナンバーをチェック頂けれら幸いです)
BodyとNeckの接合方法は、71年9月のネック・デイティングより従来の4点止めから3点止めに変更され、同時にネック・セットの角度調節が可能な「マイクロ・ティルト機構」とネックを外すことなくロッド・調整が可能な「ブレット・ヘッド」が採用され、ストラトキャスターは大幅仕様変更を受けます。
72年はその大幅変更された3点止めNeckの仕様を前提としながらも、細かい仕様変更が反映された過渡期となり、大きくはヘッドのストリング・ガイドが1ヶの「前期仕様」と、ストリング・ガイドが更に追加され2ヶとなった「後期仕様」に大別されます。
まず始めに今回は、前述の「前期仕様」及び「後期仕様」を通じて変更ず、72年を通しての共通スペックに関して書かせて頂きます。何れもギター外観で確認が可能なため、楽器屋さんの店頭やネット上での簡易識別にも役に立つと思いますよ!
*PU&SWマウンティング・スクリュー:「皿ネジ」仕様
ストラトキャスターは54年の製造開始以来、実はPUとセレクターSWをマウントするスクリューは通称「皿ネジ」と呼ばれる仕様が使われて来ました。
72年製も同様に「皿ネジ」は通年使用されています。
本「皿ネジ」を使用するにあたり、ピックガードは各スクリューが隠れるようにネジ頭の受け加工がされ、ネジ頭のみがピックガード上に出る仕様となっています。
参考までに本「皿ネジ」は、73年の中頃に通称「ナベコネジ」に仕様変更され、併せてピックガードのネジ頭の面取り加工も廃止されます。
「皿ネジ」仕様:73年中期頃まで・・・ピックガードに加工が施され、各スクリューの頭がピックガードに埋まっています
「ナベコネジ」仕様:73年中期以降・・・ピックガードのスクリュー穴の面取り加工が廃止され、ネジ頭がそのまま飛び出しています
*6弦側ストラップ・ピンの装着位置
以外に皆さん気にされていないかも知れませんが、6弦側のストラップ・ピンが、ネック側に傾斜して装着されているのが72年の外観上の特長の一つとなります。
上記スクリューの「皿ネジ」⇒「ナベコネジ」の仕様変更と前後し、73年中頃にストラップ・ピンは角度を付けた傾斜取り付けから、ネックと並行の垂直姿勢の取り付けに変更されます。
73年の場合、前述のネジ仕様及び、ストラップ・ピン装着角度の違いにより「前期仕様」と「後期仕様」に大別しますが、逆に72年の場合には一貫してストラップ・ピンは傾斜して装着されています。
本仕様項目に関しては、書籍等を含めてあまり多く触れられていませんが、私自身は5年程前からかなり意識し、72・73年仕様の商品検品時のチェック項目にしております。
私自身はストラップ・ピンが垂直に装着されている72年製ネックが装着されたストラトを見ると、最近では先ずはネックとボディーの年代ズレを疑ってしまいます・・・
画像では若干判り難いかも知れませんが、左が73年中頃までの傾斜したストラップ・ピン、右が73年中期以降の垂直方向に装着されたストラップ・ピン
ギターの外観で一見して識別できますので、是非参考にされてください。
*シルアル・ナンバー
最後に72年製のシリアル・ナンバーに関して触れてみたいと思います。
実際問題として、フェンダーの場合のシルアル・ナンバーはネック・ジョイント・プレート上に打刻され、その後メッキ+研磨工程を経てギターに組み込まれるため、年代特定上の決めてとしては誤差が大きく、決め手にには成り得ないと思います。
反面、72年と限定して考えた場合には、30万番台以外にはあり得ないと私は考えています。
(40万番台や50万番台初期の数字が付いたネック・プレートが72年製ストラトに組み込まれる可能性は100%有り得ないと断言出来ます)
次回は「72年前期仕様」「後期仕様」を含め、それぞれに異なる仕様を持つ項目を中心に書かせて頂きたいと思います。
ご期待ください!
Update:2011.10.16 Strato-Crazy original "True-Replica"
早いもので10月も既に半分過ぎてしまいました。
皆さんは秋を如何お楽しみですか?
最近の私は敢えて言うならば”食欲”と読書”の秋を堪能中というところでしょうか・・・
昨年実施の「禁煙」は順調に続きいていますが、その反動なのでしょうか・・・昨年以降5キロも太ってしまい、何とかしなければ〜と思っている今日この頃です!
前回に続き、2005年に製作した当店オリジナルの”True-Replica”のクラプトンの愛器「ブラッキー」を中心に、当時を思い出しながら”True-Replica"に関して書かせて頂きます。
現在の音楽シーンを見ますと、著名なミュージシャンのその大多数の方が、楽器メーカーとのエンド−ス契約を結び、自身のシグネイチャー・モデルを使用し、各メーカーよりそのモデルが発売され、一般の方々が手に入れることが可能になっています。
「大好きなミュージシャンの使用しているギターと同じモノが欲しい」というのは、今も昔も当然の欲求だと思います。
その点では、シグネチャー・モデルが発売されて、お金さえ払えば簡単に手に入れられる昨今は、非常に恵まれた環境だと言えますね。
また今思い返すと、70年代・80年代のミュージシャンの多くが、同じギターを長期間使い続け、結果的にそのギターが「ミュージシャンのトレード・マーク」的な存在になっていたモノが多く存在していた様に思います。
典型的な例がQueenのブライアン・メイの「レッド」・・・その他ではロリー・ギャラガーの剥げ剥げの61年製サンバースト・ストラト・・・もちろんクラプトンの「ブラッキー」もそうですね!
またジェフ・ベックの「テレギブ」やクラプトンの「エキスプローラ」の様に、独特な改造が施されたギターを愛用しているケースも多々あったと思います。
何れにしても、大好きなミュージシャンが愛用しているギターです・・・興味がない訳がなく、色々な雑誌で写っている写真を細かくチェックしたり、ミュージシャンやその周辺の人間のインタヴュー記事をチェックしたりし、その詳細仕様を探求したものです。
また70年代の日本はコピー・モデルの黄金期でした。
グレコ、フェルナンデス、ESP(ナビゲーター)等各社がそんなミュージシャン・モデルを発売していたのを購入された方も多いでしょう〜
余談ですが、70年代にグレコから”プロジェクト・シリーズ”と銘打って発売された「ブライアン・メイModel(BM-900)」は、発売時9万円・・・当時高校生だった私には高すぎて手がでませんでした。よってその後20数年経過し、フル・オリジナルのコンディションの良い物が中古で売られていたのをみて、買い現在も持っています(笑)
話がずれてしまいましたが、当社の”True-Replica”は、そんなミュージシャンのトレード・マーク的な存在のギターを、単に外観を似せて再現する"コピー・モデル”ではなく、
Body・Neckという素材や各種パーツ・レベルまで徹底的に解析し、一切の妥協を排して「本人所有のモノと同等のモノを創り上げる」ことをコンセプトにしています。
よって外観以外にも、そのPlayフィーリング、手に取った時の質感、実際にアンプに繋ぎPlayした時のサウンド・・・その各レベルにて満足の行くモノを目指しています。
2005年以前にも、ジェフ・ベックのストラトを創ったりしていましたが、2004年のクリスティーズ・オークションを契機に3本のプロジェクトを同時スタートさせましたので、今考えれば流れ・・・みたいなものがあったのかも知れません。(当然、クリスティーズ・オークションの「オークション・カタログ」にクラプトンの「ブラッキー」の詳細外観画像が多数紹介された事もあり、市場に各ギター工房が手掛けた「ブラッキー」のコピー品が溢れていましたので、”Strato-Crazy"が究極を創る!と意地になったと言うのも否定出来ない事実です)
クラプトンの「ブラッキー」に関しては、ナッシュビルの楽器屋(多分グルーン・ギターズでしょう)で3本のヴィンテージ・ストラトを購入し、その気に入ったパーツを組上げた・・・という逸話は有名ですよね!またその後長年愛用され細かいパーツは都度かなり交換されています。
よって”True-Replica”に関しては、しっかりとデーターがある「クリスティーズ・オークション」出品時の”最終形”を再現する事に決め、57年製リフィニッシュ・ストラトをベースに、Bodyを再度ブラックのラッカー・リフィニッシュする作業から進めました。
クラプトン本人の「ブラッキー」Bodyもリフィニッシュなので問題ありませんが、仮に彼のBodyがオリジナル・ブラックだった場合でも、やはり”True-Replica”はリフィニッシュで進めたと思います。(オリジナル・ブラック自体、実際に入手できたとしても1,500万円と言われても納得する価値があります。その固体をベースにするのは、文化遺産にたいする暴挙だと思います)
詳細画像![]()
内部パーツに関しては、プロ・ミュージシャンがライブで使用していた機材という観点で、消耗品は現行パーツに交換されていると考えCTS製ポットとCRL製5点SWを選択。
ピックアップに関しては、57年製オリジナル・ブラックボビンをそのまま3発搭載しようと考えていたのですが、「クリスティーズ・オークション」にて本ギターを落札した「ギター・センター」の実際に落札した人間から「センターPUは73年製のグレイ。ボビン」が装着されていたよ!」と聞いたため、敢えて73年製デイティングのオリジナル・グレイボビンPUをセンターに搭載しました。
余談ですが、50sブラック・ボビンPUと、73年グレイ・ボビンPUではポールピースの着磁がジ逆となり、5点SWでのハーフトーン(フロント&センター・ミックス及び、ブリッジ&センター・ミックス)で、2ヶのPUがハムバッキングとなるため、ノイズ・キャンセルとなります。
また、50sブラック・ボビンPUと、センターの73年グレイ・ボビンPUとでは、PUのリード線の巻きが1000巻き前後異なり、直流抵抗値でもかなりの差が生じ、その結果ハーフトーン・ポジションでアウト・プット出力が低下し、「レイド・バック」した様な独特な枯れたトーンとなります。
この時期、クラプトンはハーフトーンを多用していた事と、「ブラウニー」を弾きまくっていた時期に比べ、ブラッキーのトーンの方が「レイドバック」感が強いため、この情報は正しかったと私は出音から判断しています!
素材として1本の57年製のストラトを使っているといって、Body・Neckを含めた外観のレリックを含めた作業が終われば”完了”とは行きません・・・
サドル、トレモロ・イナーシャブロック、チューナー、ストリング・ガイド等のオリジナル・パーツの実際の合わせ込みを行ないます。
実際には、当社の各オリジナル・パーツ在庫より、外観の汚れや錆具合が一番近いモノを選択していきます(素材の57年リフ・ストラトから転用出来たパーツはなかったと記憶しています)
特にやっかいだったのがチューナーでした。長年の使用の過程で消耗品のチューナーも交換され、基本はGotho製のリイシュー・クルーソン仕様となっていましたが、1弦と4弦のみオリジナル・クルーソン製シングル・ラインが装着された状態となっていました。4弦用チューナーは通常の”ニッケル・メッキ”品なので問題はないのですが、1弦用チューナーな”ゴールド・パーツ”が装着されていました。
ヴィンテージ・ストラトパーツに若干なり知識をお持ちの方はご存知だと思いますが、フェンダーのオリジナル・ゴールドパーツはレア・パーツとなります。チューナーに関しては64年〜67年前半に使用されていた”ダブル・ライン”仕様の場合、比較的容易に入手が可能です。反面”シングル・ラインのゴールド・パーツ”となりますと、ギター装着状態でもスーパー・レア・スペックとなり、パーツ単体・しかも更に入手し難い1弦単品となると実際には不可能だと思います。
と言って、ここでリイシュー物や”ダブル・ライン”を選択すれば、それは私とっては思い切り”妥協した”という事になります。当時実際にかなり悩みましたが、1セットのみパーツ在庫で持っていたオリジナルの"シングル・ライン・ゴールド”のセットをばらし、1弦用のみを本ギターに装着しました。
また「クリスティーズ・オークションでの"最終形”」を忠実に再現する事をコンセプトにしていましたので、”Duck
BROTHERS"のツアー・ケースも可能な限り再現すべく同時進行で作業を進めました・・・何せケース自体が大きく、尚且つ重くて、全身ペンキまみれになって苦労したのを覚えています(笑)
すべてのパーツを組込み、セットアップが完了すれば完成!という訳には行きません・・・実はこの時点からが”True-Replica”の真髄・・・というかコダワリになります。
実際リフィニッシュ後のBodyをオリジナル「ブラッキー」に合わせ、傷等の詳細を再現してはいますが、Body塗装自体は新しく、またNeckの指板の汚れ等も不自然さが残っています。かたやクラプトンの「ブラッキー」は長きに渡り最前線でPlayし続けられた固体です。俗に言う”使用感”とう言葉ですが、この感覚を実際の固体で再現するのは至難の業となります。
下手な汚しを施すと、”使用感”ではなく”違和感”なり”不自然さ”を強調してしまいます。
またまた余談となりますが、経年変化という”時間軸”に対して代用は利かない・・・これが私のポリシーです(笑)
仮にピッキング・スクラッチをBodyに付けたいのであれば、ヤスリ等で小細工するのではなく、実際にピッキングしてあげれば良い訳です。
よって、本「ブラッキー」に関しても、組み上がり後約2ヶ月間、Strato−Crazyスタッフ全員で交代で、常に誰かがPlayもしくは手で触り続け、ある程度の自然な使用感を再現出来たと思います。
2006年初頭に販売後、購入頂いたお客様も実際に常に手に取ってPlayして頂いた結果、その使用感は更に増し、またしっかりとニトルセルロース・ラッカーを用いて薄く・丁寧にリフィニッシュしたため、その後の経年変化にて、Bodyに細かく自然な縦のウェザー・クラックが薄く入って貫禄を増しています!
実際に”True-Replica”を創るのは、相当のパワーと集中力を要求されるため、今も何点か計画を進めている案件はあるのですが、殆ど作業が進展していないのが現状です。
そんな中ですが、去年から進めていましたインギーの80年代〜90年代初期の愛器「50s
Candy Apple Red」が遂に完成しました!
イングウェイ・マルムスティーンと言えば、70sホワイト・メイプルNeckの「ダック」と50sメイプルNeckが装着された「Candy
Apple Red」の2本がトレード・マークの時期が長くありました。当店での「ダック」に関しては、お客様よりのオーダーを含め、過去数本製作し、現在も画像の1本を持っています。
「キャンディー・アップル」に関しても、以前より検討対象にはなっていましたが、要のネックの良い素材が手に入らず、ずっとペンディングになっていました。
インギー本人のネックは56年製と言われていますが、当社の”True-Replica”は58年製ネックをベースにしています。
彼のネックは、ペグ交換痕(エキストラのネジ穴のレストア及び、3・4弦へのストリング・ガイド増設痕があり、その上で指板のスキャロップ加工を行なう必要があります。よって56年製ネックが見付かって、そのネックにペグ交換及びストリング・ガイド増設痕を後から追加するのは暴挙と考え、じっくりと素材のネック探しを行なって来ました。
昨年58年製の既にペグ交換&ストリング・ガイド増設痕のあるネックが手に入ったため、本プロジェクトは具体的に進行し、約1年掛けて今回完成に至りました。
やはり、要はBody及びNeckの”使用感”の再現でした。
Bodyはフェンダー・ジャパン製で、しかも不要な打痕や塗装剥がれ等があると、詳細の傷・塗装剥がれを再現する上で問題となるため、80年代後半のほぼ新品に近い状態のギターを手に入れて素材としています・・・とってBodyは光沢がありピカピカ状態・・・
またNeckに関しても、スキャロップ加工を施した関係で、指板部分はメイプルのキレイな素肌だ露出し”真っ白”な状態
かたやインギー本人の愛器は長年酷使した結果至る所に塗装のチッピングがあり、Body全体の光沢はなく、指板のスキャロップ部分は”真っ黒”な状態となっています。
Bodyは不要な傷等が付かない様細心の注意を払いながらエイジングし、Neckに関してはクラプトンの「ブラッキー」の時と同様に、2ヶ月以上の歳月を掛けて手で触り自然な汚れを付けました。
本インギーの愛器の他にも、私が大好きなジェフ・ベックの愛器等、何本かの”True-Replica”が当店にはございます。そのすべてが店頭の展示スペースに限界があるため、これらのギターを今皆さんにご覧頂く事は出来ません。
今年の12月1日で当店も10周年となります。
店頭展示は無理ですが、当HP上に「ギャラリー」的なページを作り、そのスペースにて各種ショップ・コレクションを皆さんにご紹介出来たら・・・と考え、今少しずつ準備を進めております。
ご期待ください!
Update:2011.09.22 Strato-Crazy original "True-Replica" Eric Clapton's "Blackie"
台風12号に続き、台風15号と大型台風の直撃が続きましたね!
前回の台風12号の際には、直接の被害や交通機関の遅延等の被害もなかったのですが、今回の15号に関しては、昨日18〜19:00に首都圏直撃は確実との予報を受け、暴風雨の中ご来店されるお客様は居られないだろうし、帰宅難民になる可能性が大と判断し、臨時休業とさせて頂きました。申し訳ございませんでした!
実際にニュースを観ていた限りでは、15:00頃より首都圏の交通機関の運転見合わせが出始め、帰宅時のピークの18:00頃には首都圏の交通機関は完全マヒ状態になっていたと思います。
都内近郊にお住まいの方、無事に帰宅できましでしょうか?
また、四国・近畿地方・和歌山の方は、前回の台風12号に続いての直撃となりましたが、被害等は出ていませんか?
今年の日本は、3月11日の東日本大震災以降、天災が続いていますが、皆で前を向いて頑張って行きましょう!
私のこのブログも前回の更新が約1ヶ月半前と、すっかりご無沙汰してしまいました・・・
昨今、地味に毎日を過ごしていますので、正直”ネタ”がない!というのが本音です(笑)
今回は、先週末に2005年に1本製作・販売した、当社の究極のコダワリ・オリジナル、”True-Replica”シリーズのクラプトン「ブラッキー」が委託販売にて戻って来ましたので、製作当時を振り返って書かせて頂きたいと思います。
今ではエリック・クラプトン=カスタムショップ製クラプトン・モデルのストラトキャスターというイメージが定着していますが、70年代には56年製アルダーBody・サンバースト(通称:ブラウニー)や、その後80年代を通じて57年製ブラック(通称:ブラッキー)といったヴィンテージ・ストラトを録音・ライブ共にメイン・ギターで使用した時期がありました。
前述の56年製ブラウニーは、デイク&ドミノスのアルバム「レイラ」の裏ジャケットで有名ですが、そのサウンドが同デイク&ドミノスの2枚組むアルバム「イン・コンサート」及び「フィルモア・ライブ」等で堪能出来ます。
(余談ですが、この時期のクラプトンのライブ音源はその殆どがブラウニーによるPlayですが、全編弾きまくりで、まさに50sメイプルNeckのストラトの代表トーンを奏でています。是非参考にしてください!私の愛聴版の一つです!)
その後は、「オーシャン・ブルーバード」以降、数々のアルバム・ジャケットやライブ映像に映っている、57年製ブラック(ブラッキー)が彼のメイン・ギターになります。
このブラック・ストラトは、ナッシュビルで3本のヴィンテージ・ストラトを購入し、気に入ったBody・Neckを選んで組上げた・・・とエリックが語っているのは有名な逸話ですが、度重なるリフレット等により、その楽器としての限界が近づき、90年代頭には”引退”扱いとなり、以降のエリックは、カスタムショップ製の彼のシグネチャー・ストラトOnlyとなり現在に至ります。
他方70年代に深刻なドラック&アルコール問題に陥って更生したエリックは、90年代に入り、ドラックからの更生施設として「クロスロード・センター」の設立に参画します。
また、1999年6月24日に、ニューヨークのクリスティーズにて「A
Serection of Eric Clapton's Guitars In Aid
of the Crossroads Center」と題したオークション・イベントを開催し、彼が所有・愛用してきたギターの数々を出品し、その収益金をリハビリ・センターである「クロスロード・センター」の運転資金し充てたました。
この1999年開催オークションの目玉が56年製ブラウニーでした!
<1999年6月24日のクリスティーズ・オークションカタログの表/裏>
余談になりますが、この時落札されたブラウニーですが、現在はシアトルの「Eeperience
Music Project」という博物館に、ウッド・ストック・フェスティバルにて、ジミヘンがPlayしたOlympic
White/貼りメイプルNeckのストラトと共に常設されていますので、機会があれば是非ご覧下さい!!
オークション開催のちょうど5年後の2004年6月24日に、エリックは更に「Crossroads
Guitar Auction Eric Clapton and Friends for
the Crossroads Center」なるオークション・イベントを開催します。
この時は、エリックの趣旨に賛同した多くのミュージシャンが楽器を提供し、かなり内容の濃いモノになっていました。
また、出品リストの目玉はエリックが長年分身の様に愛用し続けてきた「ブラッキー」・・・その他にもクリーム時代を含め愛用したチェリー・レッドのES−335、アコースティック・ギターのメインだった39年製マーティン000−42等、当時そのリストを観た私は、「本当に手放してしまうんだ!」と驚いたのを今でも鮮明に記憶しています!
<2004年6月24日開催のクリスティーズ・オークション・カタログの表/裏>
因みにこの2004年クリスティーズ・オークションは、出品内容・点数が凄く、観る価値あり・・・と考え実は私も現地に行って、実際にオークション・ビット資格の手続きを取り、参加しました!
前日ニューヨーク入りし、クリスティーズを訪れ、展示ブースには翌日オークションに掛けられるすべてにアイテムが展示され、確認する事が出来ました。
オークション当日は、何かリーズナブルな金額のモノはないか・・・と考えながらオークションの進行を見守りましたが、すべてが想像を遥かに超える金額で、溜息しか出なかったのを記憶しています。(エリックもしっかり2階のVIPルームから進行を静観していましたよ!)
実際1度も上げることなく終わった、私のアークション・ビットカードです(笑)
因みに、この日のオークションの目玉と言われていた、クラプトンの「ブラッキー」チェリー・レッドのES−335、39年製マーティン000−42及び、ジミー・ヴォーンが出品した、スティーヴィー・レイ・ヴォーンの愛器「レイニー」すべてがアメリカ最大手の楽器店「ギター・センター」に落札されました。
落札後、「ギターセンター」は全米の各店舗を順次移動展示し、ダラス・ギターショー等でも展示し一般公開していたと記憶しています。
その後、「ギター・センター」と「フェンダー・カスタムショップ」のコラボにて、「ブラッキー」のレプリカが250本、レイボーンの「レイニー」のレプリカが150本、同じく「ギブソン・カスタムショップ」とのコラボで「ES−335」が100本生産・販売されたのは皆さんもご存知ですよね!
今回ご紹介したい当社の”True-Replic”のクラプトン「ブラッキー」は上記の様な背景で計画し・誕生しました。
次回に続く!
Update:2011.08.10 リッチー・ブラックモア仕様のストラト展示中です!
先週末辺りから本格的な”真夏”の天気が復活し、今週に入ってその日差しは更に強くなっている感じがします。
またJR東日本の真夏の恒例イベント「ポケモン・スタンプラリー」も先週から始まり、今週に入ってお父さんに連れられたちびっ子をよく見かける様になりましたので、世間では既にお盆休みに入っている方々も居られるのでしょうね・・・
私はかなりの肩凝り性で、中学生の時には既に「肩こり」を自覚していたと記憶しています。
そんな私の最高の贅沢が「タイ式マッサージ」です。
サラリーマン時代に初めてタイに出張した際に、現地駐在員の方に連れて行ってもらって以来はまってしまい、以降年3〜4回のタイ出張の際、毎晩の様にホテルの近くのマッサージ屋に通っていました。
私がはまったのが120分の全身コースで、2時間掛けてそれこそ全身を揉み解してくれます。
お客さんとの接待等でお酒を飲んだ後に寄って、気持ち良くてイビキをかきながら爆睡した事も何回もあります(笑)
しかも料金が400バーツ+チップ100バーツと2,500円前後と信じられない安さでした。
その後会社を辞め”Strato−Crazy”を始めてからも、もちろん”肩こり”が治る訳はありませんでした。
地元のマッサージ屋さん等にも通ったりした時期もあったのですが、最高でも60分で、料金も¥1,000/10分といった感じで、高い・物足りない・・・で納得出来ていませんでした。
当然タイ式マッサージ屋も探したのですが、やはり90分が最高で、120分のコース設定はありませんでした。
そんな中数年前に新規開店のタイ式マッサージ屋さんの新聞広告が入っていました。しかも120分コースの設定があり、料金は¥10,000・・・決して安くはありませんが、¥1,000/10分が世間標準と考えれば高くもなく、早々に予約を取り、以降もう5年以上通っています。
最近ではお店が休みでも、結構お店に行って調整の仕事をしたりで、時間もなくまた当然¥10,000ですから、早々行く事も出来ず、昨日実に半年以上振りに行って来ました。
タイ式マッサージは、普通のマッサージ+ストレッチの組合せなので、合う・合わないの好みがはっきり分かれると思います。
また、これは私の長い経験上確実に言えるのですが、マッサージをしてくれる人に依る個人差が凄く大きいと思います。
力加減もそうですが、それ以前にやり方というか、多分教わった人の差がでるのだと思いますが、2時間の中味が大きく異なります。
実際に私の場合、タイに頻繁に出張していた際や、今通っているお店にほぼ毎月行っていた際には、お願いする人を指名して予約を取っていました。
そんな訳で、昨日2時間のマッサージを受け、今日は全身爽快です!
話は変わりますが、ストラトキャスターPlayerとして真っ先「リッチー・ブラックモア」をイメージされる方も多いと思います。
私も「Deep Purple」「Rainbow」を通じてリッチーは相当に聴きましたし、高校時代の音楽雑誌にリッチーが載っていなかった事はなかった位身近な存在でした。
彼の愛器となると、第二期Deep Purpleの黒の貼りメイプルNeck、第三期のナチュラル・メイプルNeck、Rainbowのホワイト・ローズNeckが有名ですね!
その他第二期Deep Purple期では、71年製サンバースト/4ボルト・1ピース・メイプルNeck(WITH
SYNCHOROロゴ入り)、72年サンバースト/3ボルト・メイプルNeck(1ストリング・ガイド)、同じく72年製ブラック/3ボルト・メイプルNeck(1ストリング・ガイド)が有名ですね。
私の場合「Rainbow」のリッチーのイメージは「ホワイト・ローズNeck」ではなく、74年サンバースト・ローズNeckとなります。
実際ロニー・ジェイムス・ディオ、コージー・パウエルの布陣による初来日公演とその次の公演は高校の授業をサボってウドーのチケット発売に並んで購入して観に行きましたよ!
てな訳で、現在”Strato-Crazy"にはかなりマニアックなリッチー・ブラックモア・スペックのストラトが数本在庫でございます。
内訳は以下の通りとなります。
1)69年製ブラック/貼りメイプルNeck
<VG-1689> ![]()
このギターはリッチー・ファンのお客様の委託販売商品で、実際細部に渡ってかなりのコダワリが見受けられます
2)72年製ナチュラル/3ボルト・メイプルNeck(1ストリング・ガイド) <VG-1732> ![]()
この商品は、私が個人的に思い入れで組上げさせて頂いた1本となります。
この年代のストラトに詳しい方は既にご存知だと思いますが、「ナチュラル」カラーは72年中頃以降に追加されたカラーで、そのタイミングでストラトキャスターは既にヘッドのストリング・ガイドが2ヶに仕様変更を受け、Fender出荷のオリジナルとして、「ナチュラル/メイプルNeck(1ストリング・ガイド)」の仕様は存在しません。
リッチーの場合、72年もしくは73年製のナチュラルを入手し、気に入ったため、当時自身が愛用していた72年製サンバースト/メイプルNeckのネックを外し、そのナチュラルに組み込み、以降「Rainbow」の最初期までの間メイン・ギターとして愛用していました。
私のリッチー・ブラックモアの印象は、高校1年に神戸元町にあったヤマハのイベント・ホールで観た「カリフォルニア・ジャム」のフィルム・コンサートでした。
個人的にデヴィット・カバーデイルが好きという事もあると思いますが、私の中での「Deep
Purple」は第三期で、ベスト版はもちろん「Burn」であり、「カリフォルニア・ジャム」に関しては、VTR、レザー・ディスク、DVDすべて持っています(笑)
そんな私のリッチーの愛器は当然「ナチュラル/メイプルNeck」となります。
しかもリッチーの愛器は、アッシュの木目が特徴的で、実際には同じ感じの木目の固体には先ずお目に掛かる事が出来ず、しかも当時新品で購入して使用して彼の愛器は、Bodyに一切の色焼けのない”真っ白”な状態でなければなりません・・・
更に組み合わせる1ストリング・ガイドのメイプルNeckも、その真っ白なBodyと組み合わせて違和感のないモノ・・・という厳しいハードルを自ら設定し、その素材探しをずっと続けてまいりました。
結果待った甲斐があったというか、まさに”ドンズバ”と呼べる1本を組上げる事が出来ました!
但しこの1本に関しては指板のスキャロップ加工は行なっていません。
3)71年製サンバースト/4ボルト・1ピース・メイプルNeck
この1本は彼のサブの71年をイメージして仕上げさせて頂きました。
「マシン・ヘッド」のアルバム・レコーディング時に撮影された数々のショットを参考に、リッチー自身が削ったスキャロップ指板をイメージし、削った痕は未仕上げ状態のままにしました。
また、ネックのセット角度を設け、ブリッジはフォローティング状態にセットし、各サドル下には角度を稼ぐために、リッチーの愛器同様に薄い白いプラスチック板を咬ませてセッティングを行ないました。
4)72年製サンバースト/3ボルト・メイプルNeck(1ストリング・ガイド)
こちらの1本は73年来日公演のイメージで、ノブを黒の”ソンブレロ・ノブ”に交換して組上げさせて頂きました。
1・2の2本は販売商品で、3・4の2本は参考展示品となりますが、4本共に”Strato−Crazy”に現在展示中です。
リッチー・ブラックモア・ファンの方、是非ご覧にお越しください!
Update:2011.07.24 日頃のヴィンテージ・ストラトのお手入れ
台風が過ぎても涼しい日が続きますね!
暑がりの私に過ぎし易く非常に助かります(笑)
最近の日本の夏は高温多湿でしかもゲリラ豪雨と、亜熱帯化していますよね!
会社勤めをしていた時に、年に何回も訪れたタイの夏を連想させます・・・
高温多湿の環境は、ヴィンテージに限らずギター全般に対し辛いですね!
今日は大切なコレクションであるヴィンテージ・ストラトの、日々の管理に関して書かせて頂きます。
我々の様な商売で、しかも数百本のヴィンテージ・ギターを保管・管理するのであれば、24時間の温度・湿度管理は最低条件で、皆さんも自宅なりクレクションを保管・管理されている場所で行なえるのであれば、完璧です。
一般的に考えて、普通の自宅での24時間管理は難しいと思います。
但し日々のちょっとした管理・気遣いやケアでをして頂くだけでも、かなり違ってくると思います。
先ず多くの皆さんが誤解されている様ですが、ヴィンテージ・ギターの場合、基本的に弾き終わってもチューニングは緩めないでください!
よくペグ1巻き程度緩める、もしくは半音程度緩める・・・といった話を聞きますが、あくまでネックに対し一定のテンションを掛け続けるのがベストです。
仮にテンションを掛け続ける事により、ネックが順反り方向に多少動いたとしても、フェンダーのネックは順反り方向へのロッドのタフネスは結構ありますので、微調整レベルでまったく問題ありません。
他方、弦のテンションを緩めれば、ネックの木は楽な方行へ動きますので、逆反り方向に動く可能性があります。
フェンダー・ギターの誕生以来、ネックのある一定以上のトラブルに関しては、ネックをパーツ毎交換してしまう・・・という発想が基本になっています。
よって、日々起こり得る不具合である順反り方向に対しては、ロッド調整にて微調整を行い対応出来ますが、残念ながら、逆反り方向へのタフネスは、極めて弱いのが実情です。
また発想としてトラブル時にはネック交換が基本・・・と言われても、ヴィンテージ・ストラトのNeckが昨今簡単に入手出来る訳もなく、他の現行Neckに付け替えれば、音もヴィンテージ価値も、すべてを失いないます。
よって、基本絶対に逆反りさせない方向にて管理するのがベストだと思います。
(一定のテンションをNeckに掛け続けるのは、あくまでヴィンテージに限定させた方が良いかも知れません・・・昨今のフェンダーに限らず、すべてにフェンダー系ギターのメイプル材は相当に軟らかいと思います。現行ギターの場合にはテンションを掛け続けると、簡単に反ってしまう可能性は否定できないですね・・・)
またストラトキャスターの場合、Bodyが67年にポリ塗装下地+ラッカー塗装、・Neckが68年にポリ塗装となりますが、81年まで一貫してBodyのトップ・コートはラッカーとなります。
故に汗等の水分に対しても塗装のタフネスはありません。
ギターを弾き終わった後に、目の細かいクロス等の乾いた布で、Bodyを乾拭きする習慣を付けてください。
この際に気を付けて頂きたいのが、目の粗い布や、柄モノのTシャツ等で乾拭きすると、Body塗装に細かい擦り傷を付けてしまう可能性があります。
またポリッシュ材等を含んだクロスを用いた場合、そのポリッシュとラッカーが反応して、塗膜が白く変色してしまう可能性があります。
ノン・ポリッシュのクロスでの乾拭きが基本となりますので、くれぐれもご注意くださいね!
また、1〜1.5ヶ月に一度弦を交換する際には、ローズNeckのストラトをお持ちの方のみ、指板部分にレモン・オイルを塗って油分を補給してあげてください。
レモン・オイルは指板部分のみに使用して、間違ってもBodyやネック裏のメイプル部分には塗らないでください!
また真夏に汗をかいた状態でヴィンテージ・ギターを弾いていると、Body塗装が白く曇ってしまったり、TシャツがBodyのコンター部に張り付いてしまったり、酷い場合には、Tシャツの柄がBodyに写ってしまう場合があります。
この手の事象が起こった場合、Bodyのラッカー塗膜が変質し始めている危険信号となります。
その状態での使用を続けた場合、最悪は塗装自体がケロイド化してしまいます・・・
先ずは一旦使用を控え、塗膜を良い状態に戻してあげる必要があります。
一度変化し始めたラッカー塗膜を完全に復元する事は不可能のですが、塗膜内の水分を除去する事により、多少なり戻す事は可能だと思われます。
過去の私の経験では、ハードケース内に多数の乾燥剤を投入しギターを2・3ヶ月入れて放置すると、かなり塗膜の強度が戻ったのを記憶しています。
いずれにしても、仮にBodyが汗等で白く曇ってしまった場合、焦ってその場で磨くのは控えた方が良いと思います。
白く曇った時点で、塗膜の表面は水分と反応し、確実軟化しています。
先ずは、塗膜の硬度を戻した後に、クリーナーを用いて丁寧に磨いてあげれば、ちゃんと元通りになると思いますよ!
また、ギター・スタンドなり、ハンガーに掛けて部屋にギターを出している方が大多数だと思いますが、ギターを手に取った際に、ネック裏がしっとり汗をかいた様な状態になっている事を経験したことはありませんか?
この状態はは、確実に環境的にかなり湿度が高い事を顕著に現しています。
先ずはクロスでネック裏の水分を拭き取ってあげると共に、ギターの保管環境を変えてあげてください。
除湿器を導入するか、空調を掛けるのが一番ですが、24時間体制にするとかなりの費用が掛かってしまいます。
手軽な方法としてお勧めなのは、ハードケース内に楽器用乾燥剤を少し多めに入れて、そのケース内の環境をドライな楽器に最適な環境にし、弾き終わった後は、乾拭きして常にハードケースに戻すという方法です。
フェンダー系のハードケースは、楽器の密着度がそれ程高くないので、保存環境としてはかなりお勧めです。
他方、ツアー・ケース等、持ち運びの際に楽器とクッションの密着度が高く、機密性の高いケースは、長期保管には適しませんのでご注意ください。
あと追加の注意事項ですが、70年代後半から80年代のフェンダー純正のモールド・ケースは、中のクロスを貼り付けている接着剤が良くなく、ラッカー塗装のギターを長期間保管すると、その接着剤とBodyのラッカー塗装が反応してしまい、Bodyの塗装が爛れたり、クロスがBodyに貼り付いてしまいます。
この時期のストラトをお持ちの方は、必ずモールドケースからギターを出して保管してください!
”Strato−Crazy”では、私自身が実際に色々試した結果、皆さんにお勧め出来るケア・グッズのみを厳選して販売しています!
一度試してください!
Update:2011.07.22 オリジナル・ハードケースについて・・・
台風の影響で涼しい過ごし易い毎日が続いてますね!
自転車並みに遅い台風は四国や和歌山に甚大な被害を及ぼした様ですが、皆様はお変わりないですか?
私の場合、直接暴風雨に出くわす事無くラッキーでした!
今日は65年製の、非常に珍しいモールド・ケースが付属したストラトが入荷したので、私自身のヴィンテージ・ストラトのハードケースへの思いに関して書かせて頂きます。
一部の皆さんは既にご存知だと思いますが、私はPre−CBSのカスタムカラー・ストラト命ですが、それと同じくらい、ヴィンテージ・ストラトのケース&パーツ・フェチです(笑)
当店のHPには、ギターと共に、付属するハードケースの画像を必ず併せて掲載させて頂いているのは皆さんお気付きだと思います。
実際に当時のフェンダーの場合、ある時期以降はギターとケースは別売り扱いとなり、理論的にヴィンテージ・ストラトに年代が合わないケースなり、社外ケースが付属している事はありだと思います。
でも私個人は、ある一定価値以上のヴィンテージ・ストラトに、年代の合わないケースなり、社外品のケースが付属するのが許せないんです・・・
実際にこの商売を始める前に、皆さんと同じ様に好きでヴィンテージ・ストラトを買い集めていた時期、オリジナル・ケースが付属していなかったために購入を見合わせた事が何回もあります。
よって”Strato-Crazy"では、54年初期のフォームフィット・ケースやセンター・ポケット・ツイードケースを含め、すべての年代のストラト用のオリジナル・ケースを単体でストックし、仮にケースの年代違いや、社外品ケースが付属で入荷した商品に関しても、以下の基準に沿って、年代が合うオリジナル・ケースを付けて販売させて頂く旨、日頃より心がけております。
但し以下の商品の場合、ケースには拘らずに販売させて頂いております点を、予めご了承ください。
*委託販売にてお預かりしているヴィンテージ・ストラトで、お預かりした時点でケースが変わっている場合
*リフィニッシュ・ヴィンテージ・ストラトの場合
*特価品の場合
私個人の場合もそうでしてたが、ショップに気になるヴィンテージ・ストラトを見に行き、実際に手に取って見せて貰い、試奏をしてそのサウンドを確認した上で、ショップの方と詳細仕様等のお話をすると思いますが、その中で必ず「ケースは何が付いていますか?」とか「ケースを見せてください」ってお店のスタッフにお尋ねになりますよね?
仮に購入を検討しているヴィンテージ・ストラトがスラブ物だとして、ショップのスタッフの方の答えが、「70年代のブラック・ケースが付きます」とか「ケースはオリジナルではないんですよね・・・」と言われて国産のハードケースを見せられたらガッカリしますよね・・・
私も幾度となくその様な経験し、その度に必ず「オリジナルの年代の合うケースに替えて貰えますか?」と交渉したのを覚えています。
実際、ちゃんとしたヴィンテージ・ギター専門店の場合、ショップとしてそれなりのオリジナル・ケース在庫を持っている場合が多く、当時私が買おうとしていたストラトの大概がPre-CBSのカスタムカラーのストラトで、サンバースト物に比べ販売価格もかなり高かった事もあり、かなりの確率でケースを交換して貰いました。
他方20数年前も今と同様に、オリジナル・ケース単体での入手が困難な状況というのは変わらず、「オリジナル・ケースの在庫はありません」とか「うちもこのケースの状態で仕入れた物ですみません・・・」と言われ、購入をスルーさせたギターは10本以上はあると思います。
私自身がケースやパーツにも思い入れがあるからかも知れませんが、ハードケースは付属品の一部ではありますが、ヴィンテージ・ギターである限り、ギターと同じ位に重要だと思っています。
仮に54年初期のストラトが後年のツイードケースに入って売られていたとしたら、皆さんはどうお考えになりますか?
私的には、仮にシリアル#がトレモロ・バックプレートに打刻された初期54年が、54年後期のセンター・ポケットのツイードケースに入っているだけで許せません。(笑)
54年のトレモロ・バックプレート・シリアル期や、プレート・シリアル#が若い初期54年モノと言われているストラトは、フォームフィット・ケースと一体で初めてコレクター的に価値を創造すると言って過言ではないと思っています。
もちろん弾いて楽しむヴィンテージ・ギターと前提にお考えの方には、ケースなど何の価値もないと思います。
実際にお客様で、「オリジナル・ケースは要らないから、その分値引きして欲しい」とご要望を頂き、その場でケースの買取りを行なった事が過去に何回もあります。
先程の54年の話に戻りますが、仮にケース違いの54年ストラトが、その分大幅に安い価格設定で売られているのであれば全然OKでしょう・・・但し、しかるべき54年プライスが設定されている場合には、私は絶対にNOですね!
もしお客様から買取りのお話を頂いても、ケースが違っていれば、お断りするかも知れません・・・それ程、特に54年の場合ケース仕様が重要で、しかもオリジナル・ケースが入手困難なんですよ!
実際に私は、54年製フォームフィット・ケース単体を、$8,500(当時の為替で100万円以上)の価格で、友人のアメリカ人ディーラーから買った経験があります。
考えればケースだけの価格としてはあり得ない金額で、友人達はその話を聞いて、馬鹿だ・・・と言ったり、呆れられたりしましたが、当時の私は「コンディションの良いオリジナル・フォームフィット・ケースが、ケース単体で手に入るだけ奇跡」と考え、実際に”高い”とは感じませんでした。
もちろんそれだけの高額を払ってでもオリジナル・フォームフィットケースを入手したかった理由があっての事ですが・・・
当時在庫で持っていた初期54年ストラトが、コンディションはかなり良かったにも関わらず、付属していたオリジナル・フォームフィット・ケースがボロボロで、あまりにギターのコンディションとアンマッチで、商品としては売れない状態だったからなんです。
考え方によってはボロボロでも年代の合ったオリジナル・ケースなので、そのままでもOKとする方も多いでしょう・・・
でも、高価で良いギターを買おうか・・・と思案されている方の喜びのお顔は何回でも拝見したいですが、ガッカリした失望の表情は見たくないですよね・・・
あと、経験上断言出来ますが、ミントなりニアミントと言われる、キレイな状態のギターには、やはりかなりキレイな状態のオリジナル・ケースが付属するのが普通です。
話は変わりますが、フェンダーはケースは別売り・・・と前述させて頂きましたが、54・55年に関しては、多分ギターとハードケースはセットで販売されていたと思われます。
実際に150本以上の54年製ストラトや55年ストラトを扱って来ましたが、リフィニッシュ物や大きく手が加わったギター以外は、ほぼ100%の確率で、フォームフィットなり、センター・ポケットなりの、年代ドンピシャのオリジナル・ケースが付属していました。
また、56年のカタログでは、ギグ・バックも紹介されていますので、56年辺りから、ギターとケースは別売りになったのかも知れませんね・・・
ヴィンテージ・ストラトの年代毎のケース仕様遍歴はまた別の機会にご紹介させて頂きますが、ヴィンテージ・ストラトとケースにはUSA製以外の存在するのはご存知でしたか?
一般的に最も有名なのは、60年代イギリスで販売されたストラトに付属した通称「セルマー・ケース」と呼ばれるモノだと思います。
60年代欧州のフェンダー・ギター&ベースは、イギリスのセルマー社(アンプで有名ですね!)が輸入代理を行なっていましたが、その際にアメリカのフェンダー・セールスからはギターやベース単体で輸入し、自社で手配したハードケースに入れて販売していた様です。
その他では同じく60年代初頭より、カナダ及びオーストラリアでも同様の動きが見られ、その地域毎のオリジナル・ケースが存在します。
よって、付属するケースを見れば、そのヴィンテージが何処で販売されたものなのかも場合によっては推測が出来ます。
ケース繋がりでもう一つ・・・
今の時期、湿度が高くなり、ヴィンテージ・ケースがカビ易い時期です。
一度カビが生えると、トーレックス・ケース等は中々キレイに除去出来ません・・・ギターの保管も大切ですが、オリジナル・ケースも、いざ探すとなると簡単には入手出来ない貴重品です。傷等も含めたまには気に掛けてあげてくださいね!
追加ですが、仮にヴィンテージ・ストラト用のケースをお持ちで、売っても良いとお考えの方が居られたら、いつでも大歓迎ですよ!
特に54年製フォームフィット・ケース、54・55年センター・ポケット・ツイードケース、50sツイードケース、60sブラウンケース&ホワイトケース、60年代中期までのブラックケースは高価買取りさせて頂きます!
是非譲ってください。
Update:2011.07.17 Fresher エフェクター内臓 ストラトキャスター・コピーModel (FSC-100)
3連休の中日ですが、皆さんは如何お過ごしでしょうか?
一般にご家族でお出掛けになるケースが多い3連休やお盆やゴールデン・ウィーク等は、比較的当店は暇のパターンが多いのですが、更に連日のこの猛暑・・・当店は昨日・今日とお客さんのご来店も少なく、暇してます(笑)
今日は国産ストラト・コピー・モデルの「フレッシャー製エフェクター・内臓ギター」に関して書きたいと思います。
ヴィンテージ・ストラト好きで、「Pre−CBSのカスタムカラー・ストラト命」の私ですが、同じ”ストラト”として「普通ではあり得ない」ちょっと変なストラトを集める趣味も持っています。
その代表格が今回ご紹介させて頂く「フレッシャー」のストラト・モデルです。
「フレッシャー」と言えば、70年代の日本のB級コピー・モデル・メーカー的なイメージがあると思います。
一般的な70年代の国産コピー・ブランドと言えば、先ず思い浮かぶのが「グレコ」と「フェルナンデス」ではないでしょうか・・・その他では、ちゅっと価格が高く、更に上級メーカーとして「ナビゲーター(ESP)」があり、少し遅れて「トーカイ」が頭角を現して来ます。
以上はすべて名の知れたブランドで、その下に今回紹介する「フレッシャー」や、その他「ウエストミンスター」「オレンジ」等数々のメーカーがあったと記憶しています。
私がエレキ・ギターを始めた70年代中頃で、「グレコ」のストラトキャスターの定価が¥55,000(だったと思います)。
私の仲間内では、ギブソン系のコピーは「グレコ」、フェンダー系のコピーは「フェルナンデス」が良い・・・と言われていました。確かに「フェルナンデス」のロゴやハードケースは、本家のFenderみたいでカッコよかったのですが、「グレコ」よりも価格が高く、私の友人達も皆断念して「グレコ」製を買っていました。
そんな中で、「フレッシャー」製のコピー・モデルに関しては、皆馬鹿にして手を出す友人は居なかったですし、身近の友人等で持っている人間は1人も居なかったと記憶しています。
そんな「フレッシャー」が私の記憶に鮮明と残っているのが、今回ご紹介する「エフェクター内臓」ギターの発売です。
記憶が定かではなく恐縮なのですが、確か発売されたのは70年代後半だったと思います。今回紹介する”ストラト・シェイプ”以外に、”レス・ポール・シェイプ(FLP-100)”と”ファイヤー・バード・シェイプ(FFD-100)”3機種がラインナップされていました。
当時の発売価格が¥100,000・・・通常のフレッシャー製ストラト・コピーModelが3万円台だったと思いますし、当時欲しくても高くて手が出なかった「グレコ・プロジェクト・シリーズ」のブライアン・メイModel(BM-900)が¥90,000・・・このギターがいかに当時高かったか理解頂けると思います。
当時のカタログ(英語バージョン)がありますのでご紹介しましょう!
ストラト・シェイプは通常通りのデタッチャブル・ネックでしたが、レスポール・シェイプはセット・ネック仕様、ファイヤー・バード・シェイプに至っては、スルーネック仕様と、ギター自体のクオリティーも相当に高いと思われます・・・と書かせて頂くのが、実は当時設定金額が高過ぎ、私が当時出入りしていた楽器屋さんには入荷がなく、現品を見る機会はありませんでした。
近年、当店のお客様のお1人が”ファイヤー・バード・シェイプ”を入手され、拝見させて頂きましたが、その時には既に私の五感がストラト以外のギターに反応しなくなってしまっていたので、特に印象にはのこりませんでした(笑)
内臓されたエフェクターは、「Auto Wah」「Phase
Shifter」「Sustainer」「Distortion」「Power
Booster」の5種類でとなります。
実際に私が所有しているモデルは、本カタログに紹介されているストラト・シェイプのモデルとはスイッチ・レイアウトも異なります。
詳しくは判りませんが、輸出用の廉価バージョンではないか・・・と言われています(と、買う時に説明を受けた記憶があります)
本ギターを入手したのは、5〜6年前なので、記憶も曖昧で特に今回本ブログに書く必要もなかったのですが、実は今回同じギターをもう1本入手しました。
今度は廉価バージョン等ではなく、カタログ上と同じSWレイアウトのストラトならば良かったのですが、何と今回入手したのは、同じバージョンの「トレモロ・レス」仕様でした。
この様なエフェクター内臓ギターに「トレモロあり」「トレモロなし」の2仕様の設定をしただけでも凄いことだと思います・・・
今回入手したトレモロ・レス仕様も、基本SWレイアウトはもう1本のトレモロ仕様と同じですが、相当弾かれていたのでしょう・・・ノブやSWの一部、ブリッジ・サドル等が交換され、コンディションも相当に落ちます。
反面、リフレット・ナット交換はされていますが、そのネックは全面にビッシリとバーズアイが出ています。
これから、暇を見つけては、少しずつでもトレモロ・レスのレストアに着手したいと思っています!
Update:2011.07.15 67年製Stratocaster その2
本当に嫌になる位暑い日が毎日続きますね〜
最近お店に入る時間がかなり早くなっている日が続いています。と言うか、始発電車に乗ってお店に来る事が多くなりました。
やらねばならない事が山積み・・・という事もありますが、実際には”暑い”に他なりません。
寝る時にエアコンをタイマー・セットしますが、タイマーが切れると途端に暑くなって目が覚めてしまいます。
これを何回か繰り返している内に、「じゃお店行こう!」となる訳です。
”Strato-Crazy"は、設定温度こそ以前に比べれば多少高めにしていますが、24時間空調は掛けっ放しですし、除湿器もフル稼働状態で、実際に家に居るより湿度も低くカラっとしていて快適なんですよ。
また、バックヤードにはソファーも置いてありますので、眠くなればソファーで仮眠も取れます(笑)
家の暑さに負けてお店に避難しに来る状況ですが、私が居ようが居まいが、お店の空調は24時間対応となっていますので、家に居ないという事は、広く考えれば節電になっているんですね(笑)
先日「67年ストラトキャスター」に関しては書かせて頂き、本数が少ない理由を「当時人気がなく、生産打ち切り1歩手前状態だっと」と書きましたが、あるお客様から、「67年に出荷本数が少ないのは、ベトナム戦争の影響で色々な物資が不足し、ギターのパーツ供給も不足がちだったのが主な理由じゃないですか?ストラトに限らず、どのメーカー・機種でも、67年製は極端に少ないですよ!」のとご意見を頂戴しました。
確かに、68年にはギブソンではレスポールの復刻等、賑やかですが、67年ではフライングV位しか思い浮かばないですね・・・しかもイカ・ヘッドのフライングVの生産本数は極端に少ないですよね・・・
お恥ずかしい話ですが、私は30年近く「ストラトは当時人気がなく、67年には生産打ち切り1歩手前状態だった・・・」と信じて疑っていませんでした。
1967年のアメリカでは確かにベトナム戦争の影響で、軍需物資優先で一般物資は不足していたのでしょうか・・・
当時のアメリカなり、アメリカ近代史にお詳しい方が居られたら、是非その時の状況を教えて頂ければ幸いです・・・よろしくお願い致します!
Update:2011.07.13 67年製Stratocaster
関東地方が例年より1週間程早く梅雨明けしたと思ったら、連日35度近い猛暑日の連続・・・皆さん如何お過ごしですか?
夏生まれの私は、以前は夏が大好きだった筈だったのですが、ここ数年の暑さは尋常ではなく、寒い冬より苦手になってしまいました。
最近の私の「マイ・ブーム」は”バブ・シャワー/エキストラ・クール”という入浴剤の一種です。
元来”風呂嫌い”と言うか湯船にゆっくりつかるのが苦手な私は、真冬でもシャワーのみで済ませますので、”入浴剤”という世界とも無縁なのですが、本商品はシャワーを浴び、最後サラサラの液体を体に塗り、シャワーで洗い流すといった簡単なモノなのですが、その後の爽快感は中々のものですよ〜多分「シーブリーズ」みたいなモノなのでしょうが、その効果はシャワー後少なくとも30分は持続します。
確か、その爽快感は「マイルド」「レギュラー」「エキストラ」の3種類が選べる筈ですが、どうせ試すなら是非「エキストラ・クール」にトライしてください!
私は、ボディー・ソープも「シーブリーズ」に替え、ダブルの爽快感を楽しんでいます(笑)
さて今回は、続けて2本67年製のストラトが入荷しましたので、「67年製Stratocaster」に関し書かせて頂きたと思います。
ヴィンテージ・ストラトに詳しい方は既にご存知だと思いますが、67年当時ストラトキャスターは、市場でまったく人気がなく、生産打ち切りの可能性があったと言われています。その当時不人気機種の「ストラトキャスター」の人気に再度火を付けたのが、時の人”ジミー・ヘンドリックス”に他なりません。
実際に67年製のストラトに関しては、市場での流通量も極端に少なく、当店でも過去の取り扱いは延べ10本に満たないと思います。
今回は過去扱ったギターを含め、67年製ストラトを深堀してみたいと思います。お付き合いの程、よろしくお願い致します。
まず54年にストラトが誕生して以来、59年から60年初頭の一時期省略された時期があるものの、Neck整形が終わり、塗装工程に進む前工程で、ネック・エンド部分に、鉛筆による手書きもしくは、専用スタンプにより、製造年・月といったデイティングが入れられていました。現在ではそのサインを「ネック・デイト」と呼びます。
前年の66年の場合には、ネック・エンド部に「13
APR 66 B」といった具合に、ストラトを示す機種コード番号・製造月・製造年・ナット幅を示す、黒スタンプのネック・デイトが入ります。
私がヴィンテージ・ストラトの仕様研究に関心を持ち、各種デイティングのデーターを採取し始め、既に20年近い歳月が経過していますが、67年に関しては「13
SEP 67」という9月製造のデイティングしかお目に掛かった事がありません。
以下私の手持ちデーターに基づき、67年製ストラトキャスターを「前期仕様」と「後期仕様」と2括りに大別して話を進めさせて頂きます。
但し、前述の通り市場流通量が極端に少なく、私自身のデーター量も乏しいのが実情で、あくまで参考程度にして頂ければ幸いです。
先ず「67年前期仕様」に関し話を進めたいと思います。
仮に私の手持ちデーターが正しく、67年にFenderにて、ストラトのネックは9月にしか作られなかったとした場合、ストラトの市場での人気の陰りやフェンダー・セールスからの発注減少は、66年後半には既にその兆候が見られていたと考えられます。但しFenderとしてはそのストラトの販売数量の落ち込みを一時的なモノと理解し、66年後半も前半の勢いで生産を続けてしまい、実際にストラトの市場人気が一気に冷え込み、66年後半には大量の部品在庫を抱えてしまった・・・というのが実態ではなかったかと推察されます。
「67年前期仕様」とは、まさにその様な状況下で、67年にFenderで組まれ出荷されたストラトを指します。
66年の仕様(パーツ)を踏襲しつつ、67年製の痕跡が一部に示されている仕様とお考えください。
実際に今回入荷した2本のストラト及び、過去に扱ったストラトを例に詳細をご説明したいと思います。
*67年製前期仕様ケース1:Charcoal Frost
Metallic ![]()
画像の通り、外観上ではラッカー・フィニッシュのラージヘッド、トラジション・ロゴ、パールドット、クルーソン製”ダブル・ライン”チューナー・・・と66年仕様をそのまま踏襲しています。
詳細パーツ仕様も、ネック・デイトは「13
SEP 66 B」、ポットは137−6618のマッチドと、共に66年製パーツが組み込まれています。
元来66年デイティングのポットは、当時相当数を購入してしまったのか、実際には70年製のストラトにも使用されているケースが多々見られますので、当然67年製ストラトに使用されても、何ら不思議はありません。
ここまでの仕様ならば文句なく66年製となりますが、以下”67年製”を主張する痕跡がしっかり残されています。
先ず67年製を決定付けるのがピックアップ・デイト
画像では64年後半以降のグレイ・ボビンPUとしか認識出来ませんが、フロント及びブリッジPUに「1−20−67」センターPUに「4−13−67」のデイティングが入っています。
また、前述のPUのデイティング以外に明確に66年製と区別されるべき仕様が、Body塗装となります。
Bodyのネック・キャビティー部分の画像を載せましたが、トップのクリアー・コート、チャコール・フロストのボディー・カラーの下に、ポリの下地があるのがお判り頂けると思います。
54年のストラト誕生以来、Body塗装はラッカー塗装となっていましたが、67年に下地のポリ・ウレタン塗装が追加となります。(ポリの下地塗装の上のボディー・カラー及びトップ・コートは67年以降も81年初頭までは一貫してラッカー塗装です)
*67年前期仕様ケース2:Sonic Blue ![]()
*ネック・デイト:13 SEP 66 B
*ポット・デイト:Vol 304−XXXX(ハンダに隠れ判読不能)
Tone 304−6608×2
その他ラッカー塗装&ラージヘッド&トラジション・ロゴのNeck、クルーソン製”ダブル・ライン”チューナー等、ケース1の「チャコール・フロスト」のストラト同様に、66年の仕様を色濃く踏襲しています。
他方、ネック・キャビティー画像を見てお判り頂ける通り、ケース1の「チャコール・フロスト」同様にボディー・カラーのソニック・ブルーの下にポリウレタンの下地塗装が認められます。
逆にケース1の「チャコール・フロスト」との決定的な仕様の違いがピックアップとなります。
「チャコール・フロスト」のPUは64年後半以降の従来通りのグレイ・ボビンで、デイティングのみ67年となっているのに対し、ケース2の「ソニック・ブルー」は、一見すると64年前半までのブラック・ボビンと思われるPUが装着されています。
この67年に搭載されている「ブラック・ボビン」PUは、50年代・60年代に搭載された「ブラック・ボビン」PUが再度復活・搭載されたのではなく、単純に66・67年当時のグレイのファイバー紙が、何らかの事情で黒のファイバー紙に代用されただけの事で、PUワイヤーも50・60年代のAWG42・フォームバーではなく、通常グレイボビンPUに使用されている、エナメル被服のコイルで巻かれています。
<外観上50・60年代の「ブラック・ボビン」PUと間違えそうですが、音色をふくめすべての点において60年代中頃の「グレイ・ボビン」PUと変わりません>
また、このブラック・ボビンは67年及び68年初頭限定で存在しますが、非常に判読が難しいですが、鉛筆の手書きでデイティングが書かれています。
ケース2「ソニック・ブルー」の場合、フトント&センターが「1−11−67」でブリッジは判読不能でした。
黒のファイバー紙に黒の鉛筆書きなので、かなり読み難いのですが、色々な角度で光を当てると、1つの角度でのみ数字が浮かび上がってくるケースがあります・・・
何れにしても、この「ブラック・ボビンPU」は67年製を代表する1つの特徴と言えます。
他方、従来の「グレイ・ボビンPU」の67年デイティングのPUが67年製ストラトに搭載されるケースもちろんアリです!
同じ様に通常「グレイ・ボビン」PUが標準仕様だった時期に、突如黒のファイバー紙を持った「ブラック・ボビン」PUが出現する時期が、73年〜74年初頭にも現れます。
何れの場合にも、単純なファイバー紙の違いのみで、その他仕様はベースの「グレイ・ボビン」PUに準じ、グレイ&ブラックの何れもがオリジナルとしてありで、当然1本のギターに2種類のファイバー紙のPUが混在するケースも十分に考えられます。
*67年前期仕様ケース3:Olympic White ![]()
:*ネック・デイト:13 SEP 66 B
*ポット・デイト:304−6608×3
*ピックアップ・デイト:フトント&センター 「1−20−67」×2、ブリッジ
「1−16−67」 (すべてブラック・ボビンの鉛筆書きデイティング)
Bodyのネック・キャビティー部分を撮影した画像が見付かりませんでしたが、前述の2本同様に、既にポリの下地が入っています。
またPUのリード線及び内部配線材がブルーと黄色が使われているのも興味深いですね・・・まさにケース1と2の中間仕様になります。
PUのデイティングもケース1及び2と、1日から数日ずれ・・・グレイとブラックのファイバー紙、白・黒及び青・黄色のリード線・・・フェンダー社内では厳格に使用を区別して管理して訳ではないのがこの事実から証明されますね!
*67年後期仕様ケース1:Candy Apple Red



<仕様概要>
*ネック・デイト:13 SEP 67 B
*ポット・デイト:Vol 304−660X(ハンダに隠れ判読不可能) Tone
304−6608×2
*ピックアップ・デイト:フロント&ブリッジ
「9−11−67」×2、センター「9−7−67」(すべてブラック・ボビンに鉛筆手書きデイティング」
画像も見てもご理解頂ける通り、67年後期仕様の最大の特徴は、67年デイティングのネックが組み込まれ、しかも67年製デイティングのネックにて、チューナーな従来のクルーソン製”ダブル・ライン”かたFender製”F”チューナーに変更される点にあります。
その他の仕様は、67年前期仕様と同じで、やはり66年の基本仕様を踏襲しています。
*67年後期仕様ケース2: Black/Maple Cap
neck
<仕様概要>
*ネック・デイト:画像でお判りの通り、かなり判読が難しく、「13
JUL 67 A」もしくは「13 OCT 67
A」ではないかと思われます。
何れにしても「貼りメイプルNeck」自体が70年のプライス・リスト以前にはFender正規リスト上存在しない、すべてオーダー品と考えられるため、量産品の仕様変遷を検証する際には資料的な価値は低いと考えています
*ポット・デイト:304−6608×3
*ピックアップ・デイト:「9−9−67」×3(すべてブラック・ボビンの鉛筆デイティング、リード線は白・黒)
他方上記のPU及びポット仕様は当時のストラト用標準部品が組み込まれているため、十分に資料価値はありますよね!
以上、ザックリと67年製ストラトキャスターに関し書かせて頂きましたが、前期・後期に共通する仕様は、Bodyの塗装が66年までのオール・ラッカー塗装から、ポリウレタンの下地塗装+ラッカー塗装に変更された点となります。
想像されるに、Fender社内では市場のストラト人気が陰りが出た66年後半も、従来通りのストラトのNeckたBody加工は行い、結果大量の部品在庫を抱えたものと考えれます。
Body・ネック共に塗装前状態で保管され、フェンダー・セールスのオーダーに従って66年製在庫パーツに、必要最小限のPU等のパーツを準備し、67年に組込み出荷したのでしょう。
よって、Body塗装は早い時点からポリ下地塗装への変更対応が可能だったと思われ、反面PUに関しては、他のパーツが66年製に対し、67年デイティングの物が組込まれたのでしょう・・・
66年に大量に作り在庫を抱えたネックも、67年中旬にはすべて使い切り、67年9月にライン投入したと考えるのが自然だと思います。
またその際に、チューナーも従来のクルーソン製からFender社内製の”F”チューナーに仕様変更がなされます。
因みに、ネックの塗装がラッカーからポリウレタン塗装に変更されるのは68年中期以降で、少なくともヘッドのロゴがトランジション・ロゴであるネックはすべてオール・ラッカー塗装となります。
何れにしても、繰り返し書かせて頂いている通り、67年製自体前期・後期両仕様共に極端に本数が少なく、”67年製はこうだ!”と断言するにはデーター数が少なすぎます。
多分後期仕様に関しても、9月以外のネック・デイトが存在する可能性もあります。今後新たな発見等がありました、また本ブログにて皆さんにご紹介したいと思います。
今回の私のレポートは、参考程度にして頂ければ幸いです!
Update:2011.07.09 お久し振りです!ご無沙汰してすみませんでした・・・
前回更新させて頂いたのがちょうど1ヶ月前・・・もう7月に入って1週間が経ち、早いもので2011年の半分が終わってしまいました!
7月1日から世間では本格的な節電モードに突入、勤務先でサマー・タイムが導入された方も居られるのではないでしょうか?
当”Strato−Crazy”も震災以降、平日の営業時間を1時間短縮し、20:00までとさせて頂き、更に閉店時間の30分前にお店にお客様が居られない場合、閉店時間を繰り上げさせて頂いており、ほぼ連日19:30閉店の毎日となっております。
また、店内のハロゲン・ライトが切れる度にLED電球に交換したり、店内空調の設定温度を僅かに高めに設定変更したり、使用頻度の低い家電はコンセント抜いて待機電力をカットしたり、可能な限りの節電対応をしております。
反面、6月以降は一気に湿度が上がり、ヴィンテージ・ギターには厳しい季節が到来し、今年は除湿器を更に1台買い増し、空調を含め24時間稼動体制となっており、差し引き▲15%の節電が達成出来ているのか難しいところです・・・
昨年末に調整対応の専任スタッフの松野氏が体調不良で退社して以降、女性スタッフの井上と私の2人という、最少人員でお店を廻している状態で、更に震災以降は平日の営業時間が15:00〜19:30と実質4時間半という事もあり、毎日無茶苦茶に忙しく、あっと言う間に1日が過ぎてしまっています。
本ブログも、皆様から「いつも読んでますよ〜」といった励ましのお言葉から、「最近更新がありませんが、お体を壊されたのですか?」といったご心配まで頂き、嬉しい限りです。
マメに更新したいとは思っているのですが、なかなかゆっくりパソコンの前に座る時間が取れないのが実情なんです・・・すみません!
お店にご来店頂いたお客様はお気付きだと思いますが、ご来店頂いてもまず私はお店には居ないと思います。
ヴィンテージ・ギターショップなのに、女性スタッフ1人しかいない”変なお店”と思われた方も多いと思います。
毎度書かせて頂いておりますが、試奏や展示楽器へのご質問等は、お気軽に女性スタッフにお声を掛けてください。
店舗営業時間内であれば、私は必ずお店の奥の作業スペースか、近くの作業場に居りますので、女性スタッフにお声を掛けて頂ければ、直ちに作業を切り上げて対応させて頂きます!
また、19:30分以降にご来店のご予定がはっきりしている場合には、事前にご連絡を頂ければ、20:00まではお店を閉めずにご来店をお待ちしております。
最少スタッフで廻している現状をご理解頂ければ幸いです!
今日は特に何か書くテーマがある訳ではないので、最近私が思う事をいくつか書かせて頂きたいと思います。お付き合いの程よろしくお願い致します。
皆様既にお気付きだと思いますが、昨今ストラトキャスターに限らず、ヴィンテージ・ギター全般が、以前に比べかなり安くなっていると思います。
多分2009年の世界経済を震撼させた、”リーマン・ショック”以前と比べれば、2〜30%は確実に安くなっていると思われます。
生活必需品ではなく、趣味の贅沢品である以上、経済の好景気・不景気の影響に左右されてしまうのは仕方がないと思います。
90年代の日本のバブル景気が吹き飛んだ時期も同じ様相を呈し、ヴィンテージ・ギターの価格は、瞬時にそれ以前の2/3程度まで一気に下がりました。
私自身は、同じショップに展示され高くて手が出なかったカスタムカラー・ストラトが、約40%引きの価格に落ちたので、迷わず購入したのを始め、安くなったのを契機に、一気にカスタムカラー・コレクションを増やしたのを鮮明に記憶していますよ!
但し、その時の”バブル景気”は日本のみに限定された状態で、ヴィンテージ・ギターの世界マーケットは、日本市場の急激な低迷に対し、若干の影響は受けつつも、概ね僅かな右肩上がりという順調な推移を見せておりました。
この状況に対し、昨今の景気の低迷は、世界規模で起こっている点で深刻度合いは”バブル景気”とは比較にならないと思います。
以前であれば、世界のヴィンテージ・ギター・マーケットにおける、日本市場の位置付けは重要で、一時期はまさにその成長を牽引していたと言って過言ではないと思いますが、2005年以降のアメリカ金融市場の急成長、ユーロ経済圏の確立、対ドル・ユーロに対する円安等により、多くの外国人ディーラーが日本にヴィンテージ・ギターを買いに訪れ、アメリカを中心にギター価格は高騰し、一気にマーケットの主導権を奪われてしまいました。
当店の場合には、2002年の開店以来、グローバル・スタンダードをポリシーに、国内外のお客様に隔たりなく商売をしておりますが、その時期は売上げベースの6割以上が海外販売だったと記憶しております。
ヴィンテージ・ストラトの価格を考えても、従来であれば1年で5〜10%位の上昇イメージで、徐々に右肩上がりで推移する傾向が、3〜4ヶ月で10%上昇といった、急勾配上昇が数年続き、ストラトの様なトラディショナルなモデルは、「待てばもっと値が上がるから今は売らない」といった海外ディーラーも多く出現し、商品確保のために高くても買い続ける・・・今考えれば地獄の様に日々でした(笑)
その後2009年のリーマン・ショックです。
ヴィンテージ・ギターを投機対象資産と考え運用していた輩は早々に退場し、アメリカ・欧州共にその後の2年位の浄化期間を経てマーケットも健全化して、最近では「底を打った」という発言を耳にする機会が増えた様に思います。
急勾配の右肩上がりが、リーマン・ショックをピークに急勾配の下降の一途を辿り、底を打ち今は横ばい推移に転じたといったイメージですね!
その結果、私のコラム「後悔しないヴィンテージ・ストラトキャスター選び」にも書かせて頂いた様な、「弾いて楽しむヴィンテージ」と、「究極のコレクターズ・ピース」の2極化が顕著化して現在に至ります。またこの2極化はより一層顕著化して行くと私は考えています。
では、実際ヴィンテージ・ギターは今が底値で”買い時”なのでしょうか?
この問いに的確に答えられる人は居ないのではないでしょか・・・
ヴィンテージ・ギターで、しかもストラトの様なトラディショナルなモデルであれば、”流行”に左右される事もなく、また保管する事により商品価値が著しく低下する事もありません。
よって、在庫を維持する経済力さえあれば、敢えて価格を下げて売る必要はなく、じっと堪え経済状況の好転を待てば良い訳です。
反面、当社を含め店舗を構え、従業員を雇って商売をしている限り、仕入とは別に毎月かなりの”経費”が必要となります。よって経費確保のための”赤字放出”とうい事態が発生します。
同様な状況はお客様である皆さんにも当て嵌まると思います。
諸事情により現金が必要になり、結果としてコレクションの内の1本のヴィンテージ・ギターの売却を検討し、色々なショップに買取り金額の査定を打診するも、各店共に現金買取りに対する余力がなく「委託販売」を勧められ、短期間で売却が見込める販売価格を設定し、ショップに託すケースが考えられますね!
ヴィンテージ・ギターは、押しなべて高額商品となりますが、株や金・銀の様に、その日の市況で誰もが簡単に売買し、現金化出来る物ではありません。
よって急な”現金化”に迫られた場合には、予測不可能なビックリ価格が飛び出す可能性を常に秘めていると思います。
当店の場合も、「弾いてなのむヴィンテージ・ストラト」に関しては、お客様に買って頂いてナンボ・・・と考え、6月1日の単価改定を機に大幅に価格を下げさせて頂きましたのは、既に皆さんもご存知だと思います。
私はちょっと尾天邪鬼な性格で、2007年までのマーケットが活気を帯びている時期には、「○○周年感謝セール」を銘打って、毎年12月に期間限定で価格をさげたセールを行なっていましたが、本来は「ヴィンテージ・ギターはセール販売するものではない」と思っていますので、リーマン・ショック以降は一切セールをするのを止めました。
その基本的な考えは今も変わっていませんが、前述の通り、当社も商売を継続するために毎月最低限の”経費”支出は避けられず、反面私自身が”誰よりもヴィンテージ・ストラトが好き”なため、赤字で損をしてでも商品が売れれば、そのお金で好きな別のヴィンテージ・ストラトが買える!と考え、従来価格を大幅に値引きした”新価格”を設定した次第です(笑)
実際問題として、6月に単価改定を行なって以降、当店は売れ売れか?と言えば決してそうではありません(苦笑)
でも私自身はこの数ヶ月かなりハッピーなんですよ!
その理由は、当社のHPのストック・リストをマメにチェック頂いている方はお気付きだと思いますが、Pre−CBSのカスタムカラーのストラトがかなり入荷した・・・これに尽きます!
私はヴィンテージ・ストラト、その中でも特にカスタムカラーのストラトには、並々ならぬ愛情と探究心を持っています。実際に60年〜66年のフェンダー社が発行した正式なカスタムカラー・チャートに載っている、すべての色のストラトを集めてやろう・・・という野心を持っている位です(笑)
最近では64年・65年のブラック、59年・62年のスラブNeckのオリンピック・ホワイト、64年のソニック・ブルー、64年・65年のレイク・プラシッド・ブルーと、かなりの本数のカスタムカラー・ストラトが入荷しています!
また入荷する度に、価格のお問合せを含め大勢の皆さんより、お問合せ・ご商談を頂きております。
正直委託販売商品を含め、最近扱わせて頂いているカスタムカラーのストラトの価格は、一時に比べると私自身が驚く程安く設定させて頂いております。
それでも、ヴィンテージ・ストラトの標準色のサンバーストに比べれば、2〜3倍で、絶対金額としても200万円後半から400万円と、決して安くはありません。
ましてヴィンテージ・ギターの本質の”音”に関しては、標準色のサンバーストと変わる事はなく、単純に”色が付いているだけで高い”となる訳です・・・
カスタムカラー・ストラトに関しては、通常のヴィンテージ・ストラトの世界に対し、更にDeepなコダワリの別世界が存在しいるとご理解ください。
そのDeepな別世界ですが、実際にはそれぞれのギター毎に、大勢の方々からのお問合せ・ご商談を頂き、結果的に半数以上が既に新たなオーナーさんの元に旅立っています。
従来カスタムカラー・ストラトは、絶対本数が少なく常に色々なショップに在庫があり、選んで購入出来る存在ではありません。
特に前述した最近当社に入荷したカラーは、人気色であったり、レア・カラー扱いとなるため、ストラト専門ショップの当店でも”久し振りの入荷”と言えるモノばかりでした・・・
当店でも”久し振りの入荷”となる理由があります。
一つには、カスタムカラー・ストラトは、北米や欧州では既に”コレクターズ・ピース”としての扱いが定着し、リーマン・ショック以降も大幅に値下がりすることなく、高値安定しているため、いくら私個人的に”カスタムカラー・ストラト命”であっても、直ぐに売れない高額商品を仕入るリスクを犯すよりは、同じ金額で売れそうな数本のサンバースト・ストラトを仕入れた方が商売としては堅実となります。
よって余程「好きなカラー」でないと、カスタムカラーを高いお金を払って仕入れる事は出来ない訳です。
他方日本に於いても、20年以上前から絶対金額は違えど、カスタムカラー・ストラトは常に標準色のサンバーストに対し、2倍以上の高値設定がなされていました。
よってカスタムカラーの価値を理解している人しか購入出来ませんでしたし、事実所有されているオーナーさんは、それなりの金額を支払ったて入手していると考えられます。
また、カスタムカラー・ストラトのオーナーさんが、そのカラー・ストラト1本しか所有していないとは通常考え難く、カスタムカラー以外にも、サンバースト・ストラトを所有しているケースが殆どだと思われます。
そんなオーナーさんが、ヴィンテージ・ギターの趣味を辞める時以外で、苦労して入手したカスタムカラー・ストラトも容易に、しかも昨今の様な安価で手放すとは考え難いと思います。
仮に諸事情により現金が必要な場合には、手放しても将来買い直せるサンバースト・ストラトを売却する決心をなさると思われます。
よって、日本国内に存在するカスタムカラー・ストラトも、再度商品として市場に戻って来る可能瀬は、極めて低いと思われます。
仮にヴィンテージ・ギターのマーケットが活況を呈していた場合には、カスタムカラー・ストラトのオーナーさんも、購入した価格よりもかなり高く売れるのであれば、手放しても良いかな・・・と思われ、市場にギターが商品として戻って来る可能性は高くなると思います。
以上の昨今の背景がありながらも、短期間でこれだけのカスタムカラー・ストラトが入荷した訳ですから、私がHappyなのはご理解頂けると思います。
既に新たなオーナーさんの元に旅立った数本に関しては、実はある共通点があります。
最後に、その共通点に関してお話したいと思います。
先ずすべてのオーナーさんが、当然ですがカスタムカラー・ストラトのDeepな世界観をある程度以上理解され、その上でそのギターの”カラー”に興味を持って頂いた点と、今回の販売価格が絶対金額として高いながらも、従来の価格から比べると信じられないくらいお買得・・・という点をご理解頂いている点が挙げれます。
よって直接ご来店頂き、試奏をされたり現品を実際に確認された時点で、ほぼ皆さんご購入されるご決断はして頂き、あとは”どの様に購入するか”を時間を掛けて悩まれ、あらゆる可能性を模索された様でした。
皆さんが既にサンバーストもしくはカスタムカラーのストラトを所有されていた・・・というのも共通されていました。
結局は、皆さん既にご所有されているヴィンテージ・ストラトを中心に、カスタムショップ製ストラト等を下取りに出され、念願のカスタムカラー・ストラトをゲットして頂きました。
私自身、皆さんのこの選択は、今の時期では最良な方法ではないか・・・と考えます。
以前より当店の場合、リフィニッシュ物のヴィンテージ・ストラトをご購入される際に、カスタムショップ製ストラト等の下取りや、サンバースト物のヴィンテージ・ストラトをご購入の際にに、同じくカスタムショップ製ストラトや、リフィニッシュ物のストラトや70年代のヴィンテージ・ストラトの下取りをご希望される方が居られました。
今回の場合には、規模が下取り金額レベルで2〜300万円、あるお客様の場合には追金なしの1対複数トレード・・・
正直言うと、こと「商売」と考えた場合、商品が売れたという事実に対し、対価の現金が入らない・・・また売れたカスタムカラー・ストラトが、お客様からお預かりしている委託販売商品の場合には、オーナーさんに対しては委託販売代金精算のために、現金をお支払しなけえばならず、現実問題としては手放しには”歓迎”出来ません。
もちろん、昨今従来に比べ2〜30%商品販売価格が下がっているご時勢、お客様が下取りをご希望されるヴィンテージの査定金額は従来に比べそれ程差がない・・・などという事はあり得ないので、ご他聞の洩れずそれなりに厳しい金額のご提示なってしまいます。
実際に他のお客様で、ご提示させて頂いた金額を聞かれ「そんなに安くなるなら手放さずに持っておきます。今回のギターはもちろん欲しいですが諦めます・・・」と仰られたお客様も大勢おられました。
理想としては、今所有されているヴィンテージ・ストラトを、委託販売等をご利用され少しでも高く、ご納得頂ける金額で売却し、その資金で新たなギターを買えれば、ロスは最小限となります。
但し仮に多少なりとも売れ易い、安めな価格設定をした委託販売でも、販売金額が100万円以上の設定となる商品は、昨今の厳しい経済状況下では、右から左に瞬時に売却が成立することはあり得ません。
よって委託販売を行なっている間に、お目当ての商品が売れてします可能性が大・・・となります。
他方、当店を含め他のショップさんでも、お預かりした委託販売商品が売れるまで、お目当ての商品をHOLDして貰うのは不可能です・・・
今回入荷したカスタムカラー・ストラトの新しいオーナーさんになられたお客様の最大の共通点は、その決断力だと思います。
「是非ゲットしたい」というご意思を全面に出してご商談頂き、私自身も色々なオプションのご提案を含めご相談させて頂きましたが、冷静に考えれば、今回ご自身の放出されたコレクションの査定金額が低くても、ゲットしようとされているカスタムカラー・ストラトの価格自体が、今の世相を反映して十分に安くなっている以上、最小限の差額で念願のカスタムカラー・オーナーになれる訳ですから凄く現実的な選択だと思います。
仮に経済状況が好転し、ヴィンテージ・ギター市場に活況が戻れば、もちろんご自身のコレクションの査定金額は間違いなくアップします。
但し、コンディションの良い物、レアな物、カスタムカラー物・・・といった「コレクター・ピース」は、景気が好転すれば真っ先に価格が上昇するモノなので、その時点でのトレード差額が、実際には今ご決断された金額同等以上となる事は間違いありません。
前述の通り、トレードという手法は、私の様な商売をする立場の人間からすると。手放しで喜べませんが、高額品が動き難い現時点では最良な手段かも知れませんね!
繰り返しになりますが、商品の販売金額がこれ程に安くなっている昨今、ご自身が所有されているコレクションを仮に手放そう・・・とお考えになった場合の査定金額は、正直厳しいと思います。
但し、新たに別なヴィンテージ・ギターを対象にトレードを試みる場合には、その差額に対しては、以前と変わらないかか、それ以下となっている場合が殆どだと思います。
よって、別の事情で現金が必要でギターを手放す・・・という方には、昨今の状態は最悪だと思いますが、それ以外の場合には、それ程悲観しなくても良いと思いますよ!
Update:2011.05.13 *62年製スラブNeckのStratocaster
ゴールデン・ウィーク明けの1週間、皆さん如何お過ごしでしたか?
2日もしくは6日を休まれて長期休みとされた方には、休み疲れが出たのと、この数日間の気温差が激しかったこととで、体調を崩されてしまった・・・というパターンもあるのではないでしょうか?
通常のカレンダー通りのお休みだった方は、2・3日休んで1日出勤でまた休み・・・という理想的な1週間だったので、この1週間はさぞかし長く感じられたのではないでしょうか(笑)
私の場合、過去最長記録の12日間連続営業後、明けた9日(月)は家から一歩も出ずに爆睡していましたが、翌火曜日はしっかりお店に来て仕事をしていましたし、水曜日以降もお店中心の生活に変化なし・・・です。つくづく「ヴィンテージ・ストラト」が好きなんだな〜と自身痛感しています。
新たな商品が入荷し、詳細をチェック・検品したり、セットアップをしている時間が、自身にとって至福の瞬間なんですよ・・・
そんな際に、自身に取って「新たな出会いや発見」があった際には、その幸福感はピークに達します(笑)
ヴィンテージ・ストラトに魅了されて20数年・・・ストラトのみに絞り込んだ20年程前から、ネックやボディーのデイティング、シリアル#、ポットやPU等のパーツの仕様はデイティング等を自身の資料として記録し始めました。
”Strato-Crazy"を開業以前は、300本前後のデーターしかありませんでしたが、ヴィンテージ・ストラトの専門店を始めて以来、扱ったヴィンテージ・ストラトの本数は延べ1,700本と、お陰さまでそのデーター量は相当数になりました。
そんな私でも、日々新たな発見なり出会いを経験します。
今週も、そんな小さいですが素晴らしい出会いがありましたので、皆さんにもご紹介したいと思います。
1959年中頃に、それまでメイプル・1ピースだったネックが、メープルネックの指板部分のみをブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)を平貼りするローズ指板ネック(通称スラブ・ネック)に大幅な仕様変更が実施されました。
その後、平貼りしたローズの指板部分とメイプルのネック部分の質量が異なるため、ネックが反ってしまう原因になりうる・・・との観点と、フェンダー社内の技術革新の結果、指板部分のローズ材は極力薄くし、ネックのメイプル部分にRを付けて薄いローズ材を貼り合せる・・・という「ラウンド貼り」のNeckに仕様変更されます。
(自動車で言えば、59年の1ピース・メイプルNeck⇒スラブ・ローズNeckの変更は”フル・モデルチェンジ”、その後のスラブ・ローズNeck⇒ラウンド・ローズNeckへの変更は”マイナー・モデルチェンジ”といえるのではないでしょうか・・・)
スラブ・ローズNeck⇒ラウンド・ローズNeckのマイナー・モデルチェンジが実施された時期が1962年という事は皆さん既にご存知だと思います。
また、62年製Stratocasterに関しては、昨年11月の「62年製Stratocasterの検証」とのタイトルでブログに書かせて頂いております。ご興味のある方は、昨年の抜粋版をご覧頂ければ幸いです。
ヴィンテージ・ストラト好きな私としては、「62年に仕様変更された」では納得出来ません。では「62年のいつ変更されたのか?」を探求したくなる訳です(笑)
今までの私の記録上、かなり以前からフェンダー社でネックのデイティングを鉛筆書きからスタンプに変更した時期が62年4月、スラブNeckは62年6月まで・・・となっていました。
前述の昨年11月に書かせて頂いた「62年製ストラトの検証」でもその手持ちデーターをベースに書かせて頂きました。
今週62年製サンバーストのスラブNeckのストラトが入荷し、検品してビックリ!
ネック・デイトが「2 JUL 62 B」のスタンプと、62年7月製を示しています・・・小さなことではありますが、私にとっては大きな新たな出会いで、今すこぶるハッピーな気分です!
ショップの女性スタッフにこの事実を話しても、「そうですか・・・」の一言で終わり・・・この出会いや感激を他の誰とも共有できないのは寂しい限りです(笑)
逆に62年製ラウンド・ローズNeckは、当店でも過去からの扱い量もそれ程多くなく、手元の記録もそれ程多くはなく、62年8月以前の記録はない状況です。
62年7月なり6月スタンプのラウンド貼りNeckが見付かれば、仕様変更がフェンダー社内で行われた時期の特定が出来ると思います。
その際には、また報告させて頂きますね!
また、この2週間ほどの間に、62年製ストラト及びスラブNeckストラトに関するご質問を、メールやお電話で数件頂きました。
内容的には、前述の「62年製ストラト検証」にも書かせて頂いた「スラブ・ローズNeck期」または「62年製ストラト」のBodyのネック・キャビティー部分に、ハンドル痕がある可能性は、オリジナルとして考えられるか否か・・・という事でした。
ご質問頂きました皆さんにはその都度私の見解をお話させて頂きましたたが、100%あり得ないと自信をもって断言出来ます。
仮にスラブNeckストラトのBodyのネック・キャビティー部分が全面塗りつぶし塗装ではなく、ハンドル痕が残っていたのであれば、そのギターは63年中期以降製造のストラトに、何らかの事情により後年ネックが差し替えられた・・・と断定して間違いありません。(実際に私自身何本もそういった固体を見ています)
何故断言出来るのか・・・と疑問を感じる方も居られると思いますので、その根拠をご説明させて頂きます。
Bodyのネック・ジョイント・キャビティー部分が塗りつぶされているか、ハンドル痕が付いているか・・・これはフェンダー社内のBody塗装工程の違いにによって結果的に発生する事象となります。
フェンダー社は50年のブロードキャスター以来、Bodyを台の上に乗せて、その台を回転させることによりBody全面を塗る工程を採用し、ストラトキャスターも同様の方法で塗装されて来ました。その結果ネック・キャビティー部分もBodyのトップ面に塗装を拭き付ける工程で、全面Body同色の塗りつぶしとなる訳です。
但し、この塗装方法の場合、Bodyの表面と裏面を同時に塗装する事は出来ず、効率が悪く大量な数を処理するには問題がありました。
そこで塗装工程の効率アップの試行錯誤の結果考案されたのが、ネックキャビティー部分に、塗装用の治具(ハンドル)を固定し、塗装作業者はそのハンドルを片手で持ち、もう一方の手でスプレー・ガンを持ち、廻しながら吹き付ける事でBody全面を一度に塗装する事が可能になりました。
当然塗装前のBodyにハンドル治具を装着し、その治具を持って塗装しますので、ハンドルが装着されている部分のBodyは未塗装状態で残ります。これがBodyのネック・キャビティー部分に残る”ハンドル痕”となる訳です。
もちろん、この”ハンドル痕”はネックが組み込まれ、ギターとなった状態では、外観上判ることはありません。
また、塗装後のBodyも、ハンドルを差し込める台車を用意する事により、乾燥の省スペース化や塗装上がりBodyの保護に貢献出来る様になりました。
(皆さんも何かの書籍等で、ハンドルを持ってBody塗装を行なっている光景や、多数の塗装上がりのBodyが台車に刺さっている、フェンダーの昔の作業風景の写真を目にした事があるのではないでしょうか・・・)
ハンドル治具を用いてBodyを塗装するこの方法は、余程効率が良かったのでしょう・・・結果的にCBSに売却された後も、80年代までずっとこの手法が採用されています。
この事実こそが、すべてを物語っていると思います。
すべてにおいて合理的で、量産性を重視するフェンダー社において、塗装効率を飛躍的に向上させる、ハンドル治具方式が仮に62年代のスラブNeck期に確立されているとすれば、何故その後63年中頃まで、効率の悪い50年代から続いた塗装方法を存続させたのでしょうか・・・
また、このハンドル治具方式の場合、そのハンドル治具の準備、乾燥・保管台車の準備等の準備期間が必要で、1〜2本をこなす少量対応には従来の方式の方に歩があります。
よって、2種類の塗装方法が1年近く併用された・・・とはとうてい考えられず、63年中頃に、”ハンドル治具”方式に一気に切り替わったと考えるのが自然です。
要は62年(スラブ・ローズNeck期)には、この画期的な”ハンドル治具”を使用してBody塗装を行なう手法はフェンダーで考案されていなかったと言えます。
よってその63年以降に開発・採用された”ハンドル治具”方式で塗装されたBodyに、スラブNeckなり62年製ネックが組み込まれる事は、あり得ない訳です。
もちろん、66年前後まで、フェンダー社は正式に「ファクトリー・リフィニッシュ」を一般に受けていましたので、63年以前に出荷されたギターが、ファクトリー・リフィニッシュの依頼でフェンダー社に戻って、リフィニッシュ作業が行われれば、当然その塗装工程は、その量産塗装と同じ処理が施されますので、仮に62年以前のBodyでも、結果的にネック・ジョイント・キャビティーに”ハンドル治具痕”が残ることになります。
但し、フェンダー社のファクトリー・リフィニッシュの場合、通常量産品Bodyと区別するため、ピックガード下のBodyに何らかの形跡(通常は4桁番号)を残しますので、容易に識別可能です。
また、仮に装着されているネックが、目を疑う程のバリバリのトラ目なりバーズ・アイ等、かなり特殊なネックだった場合には、フェンダーが意図的に年代ズレのネックを組み込んだ可能性も否定出来ません。
50・60年代のフェンダー社のメイプルNeckは、特にトラ目なりバーズアイを意識した訳ではなく、偶然の産物として”バリトラ”ネック等が存在し、ギターに組み込まれて出荷されています。反面、かなり凄いNeckは選別し保管し、スペシャルなオーダーやショー用サンプルに意図的に組み込んだ・・・と思われる可能性を否定出来ません。
但しその場合には、ネックのデカールはギターを組み込んで完成させた時期の仕様が貼られるのが自然の流れとなります。
このデカールの話に関しては、かなり奥が深いので、また後日何か機会があった際に詳しく書かせて頂きますね!
長くなりましたが、効率の良い作業工程が、効率の悪い工程と1年以上併用されるなど、効率と合理性を追求するフェンダー社では考えられません。
100歩譲って、ネックキャビティーが完全に塗り潰されたBodyに、63年後半以降のネックが組まれて出荷されたケースがなかったとは言えません。
これは、「倉庫を整理していたら古いパーツが見付かった」的なフェンダーにけっこう有りがちなケースもしくは、ネックが後日折れた等でパーツ交換されたケースです。
(因みにフェンダーの場合、ネックに不具合が生じた場合には、新しいネックに交換すれば良い・・・と考え、いつの時代もネック単品の流通が確認出来ます)
その場合でも、ネック以外のすべてのパーツは、Bodyと同じ時期となります。
Update:2011.05.07 *「一生もの」って言葉の深さと私の考え
ゴールデン・ウィークの連休も5日の子供の日でひと段落、世間では峠を越した感がありますね!
高速道路、各交通機関共に4日辺りから上り方面の混雑が目立ち始め、5日がピークだった様です。
6日の金曜日に、お店に出勤する際の電車や乗換えをする上野駅やお店周辺の神田界隈も、普通にスーツ姿のサラリーマン風の方々やOLさんが多く、平日の風景でした。
(因みに5月2日の月曜日は、連休中日でししたが、お休みを取られた方々が多かったのでしょうか・・・街の雰囲気は休日に近いものがありました。)
当店は先週の水曜日から今週末の5月8日(日)まで、12連続営業中と体力の限界に挑戦中ですが、29日の連休突入以降、毎日お客様にご来店頂き、売上げがある・なしに関わらず、休まず営業して良かったと感じられる毎日を送らせて頂いております。
特に4日までは、関西方面から休みを利用して東京の楽器屋さん巡りに来ている・・・というお客様も多く、ありがたい事だな〜と感謝しております!
ご来店頂きました皆様には、この場をお借りして、御礼申し上げます!
さて話は変わりますが、当店には奥様や彼女といった女性同伴でご来店くださるお客様がかなりの比率で居られます。
また、同伴でお越しになったのに、お連れの女性の方を放っておいて試奏ルームに篭ってしまったり、私との話に熱中されてしまうお客様が多々おられます(笑)
そんな訳で、当店では数ヶ月前より女性スタッフにお願いし、一緒にご来店された女性の方々が、多少なり暇つぶしが出来る様に、女性の方々が手にして読まれる雑誌を数種類用意しております。
グルメ&情報誌系の「Hanaka」は私もチラ見しますが、その他のファッション系雑誌はまず見る事はないのですが、今回「CREA(クレア)」という女性雑誌の特集記事のタイトルが気になり、チラ見して面白い記事を見つけましたので、その概要をご紹介させて頂きながら、私の思うところも併せて書かせて頂こうと思います。
前述の特集が”使い捨て感覚はもう卒業 これからを一緒に過ごしたい!「一生もの」図鑑”となっていました。
この雑誌は、偉大なる消費家である30代・40代女性がターゲットらしいのですが、女性にとっての「一生もの」という価値観に興味が湧き、かなり真剣に女性誌のページをめくりました(笑)
内容的にはターゲット世代を代表される著名女性達の「一生もの」と考える価値観や出会い、具体的なアイテムをインタヴューと写真で紹介したり、世間一般的に「一生もの」として既にそのステイタスが確立している品々の紹介が大半だったのですが、中で気になったコラムを発見し書かれている内容が、普段から私自身が感じ・思っている内容とかなり重なりますので先ずはその内容を抜粋して紹介させていただきますね!
書かれたのは齋藤薫さんという美容ジャーナリスト/エッセイストの方です。
タイトルは「一生ものが、女をのばす!”一生もの”を乗り越え本モノの女になる」で、以下抜粋させて頂きます。
”一生もの”は、本モノ。”一生もの”を買う行為には、大人になった証、という揺るがぬイメージがある。何よりもその出会いは、”運命の人”とめぐり会うような、人生最高の瞬間にちょっと似た、”幸せの香り”がするから・・・
反面、女性の場合、「自分には分不相応な”高価なもの”を買う時の言い訳に「私は”一生もの”を買った」といってしまう傾向があるそうです。また高価で分不相応なものは、手に入れた事で満足してしまい、1年以内に飽きてしまうケースが少なくない・・・
では、ずっと愛していけるという自信はどこから生まれるのだろうか?自分にとっての”一生もの”がハッキリ見えていて、それを迷わず買えるのは、自分が見えている証。だから”一生もの”と出会えるかどうかは年齢ではない。とてつもなく個人差があるもの・・・
また本当に”一生もの”になるかは、その人に本モノを見る目があるかどうかにかかっている。ずっと飽きずに愛用出きる物のパワーは凄まじい。そういうパワーを見分ける目はやっぱり多くのものに触れ、失敗もそれなりにしてこないと身につきものではないのだ!
(中略)
ところが、そうやって手にいれたものも、その人にとっては、やがて”一生もの”でなくなる時が来るかもしれない。なぜなら、”一生もの”を大切に使うことによって感性を磨かれ、成長してもうひとつ上になりうるからだ。”天井の高い家は大物を育てる”という言葉があるように、良い持ち物には、人が磨かれ鍛えられ成長するものだ。”一生もの”に飽きるのでなく、”一生もの”を乗り越える。そういう日が来るのだろう。そうしたら次の”一生もの”と出会えばいい。そうやって”一生もの”は人をのばしてくれるのである・・・後略)
皆さんはざっと読まれてどう思われましたか?
私自身は、共感出来る箇所が多々ありました。
ネットを見ていると、私を含めヴィンテージ・ギターを扱っているショップの商品紹介の中に、「一生もの」という言葉は良く使われますね!
一つには、色々な楽器を所有し実際に経験しご自身が成長しないと”ヴィンテージ・ギター”は理解出来ない・・・というギターとしての一種の極みとなり、当然ながら高価であることは間違いないので「一生もの」という表現が使われるのだと思われます。
別コラムの「後悔しないヴィンテージ・ストラトキャスター選び」にも前提として書かせて頂いている通り、ストラトに限らずヴィンテージ・ギターは昨今多少価格が下がってきた・・・とは言え高価のギターで、しかも”ヴィンテージ”という表現は格好良いですが、別の表現を使うならば「すっごく古い中古楽器」であることに変わりはありません。
よって購入される際には絶対に後悔はして頂きたくないと思います。
よって「今度買うギターが自分にとって最後の1本」という覚悟」を持って選び・自問自答し、購入するか否かのご決断をして頂きたいと常日頃より思っています。つまりは”一生もの”として付き合えるか・・・という観点で慎重に選択・決断をして頂きたいと思っている次第です。
エッセイストのコラムに書かれている通り、その選択の柱になるのはあくまでご色々な経験をし”見る目”が養われたご自身となります。
また”良い物は人を育てる”というのもその通りだと思います。
当店でリフィニッシュでも1度”ヴィンテージ・ストラト”をご購入頂いたお客様が、その後再度カスタムショップ製のストラトを購入された・・・という話は聞いたことがありませんし、逆に以前以上にトーンを意識する様になり、気に入ったヴィンテージ・アンプを購入し、逆に使用するエフェクターはどんどん減ってしまった・・・という方は大勢おられると思います。
またギター自体でも深みにハマリ、最後のギター=”一生もの”と決断して購入した半年後には、もう1本買っていた・・・というケースも多々あるのではないでしょうか。
(そういった場合には、2本目を購入する時点で、もう弾かないギターや使用しない機材一式を手放して資金の一部に充てるという、潔いケースが多いと思いますが如何でしょう?)
何ってことはない、すべて私自身の体験談です(笑)
私の場合、70年代の「オールド・ギター」と呼ばれて雑誌等で紹介され始めた時からリアル・タイムでその存在は知っていましたし、"ヴィンテージ”と呼べる56年製のレスポール・スペシャルTVを手に入れたのが19歳とかなり若く、以降も相当数のギターを買っては手放してを繰り返していました。(LP−TVは5年程所有し、大学を卒業する前に売却し、その資金で渡米しました)
私にとって”一生もの”は疑う余地もなく、今も相棒として君臨している61年製オリンピック・ホワイト(通称:Jeff)のストラトだと思います。
出会いを含め書き出すと長くなりますので割愛させて頂きますが、何せそれ以前は数十万単位だったものが(それでも普通のサラリーマンの薄給では十分高価でしたが・・・)、いきなり100万円オーバー・・・正直プロ・ミュージシャンでもなく、普通のサラリーマンがこんなギター買っても良いのだろうか?という次元から悩みました。
反面、その楽器屋さんの壁には数10本のギターが掛かっていたにも関わらず、その1本しか見えず、その1本が自分に語り掛けてきた事実、実際に手にし・音を出した瞬間に感じた感覚は本モノで疑いようもなく、クール・ダウンして考えるために即決はせず、1日置いて翌日購入を決断しました。
この時に初めて”一生モノ”という言葉を意識し、また自分自身にも言い聞かせたと鮮明に記憶しています!
私の場合には、この出会いの結果、脱サラし「ヴィンテージ・ストラトの専門ショップ」まで開いてしまった訳ですから、人生まで変わってしまった・・・と余りに極端だとは思いますが、色々な意味で”Jeffに育てられた”と思っています。また今でもギターは下手くそですが、Jeffを入手して以降一時は、普通に弾いている時間も長く、正直その間に多少なり上手くなれたと思っています(苦笑)実際に今のJeffを見る限り、元の色が「オリンピック・ホワイト」とは中々連想出来ませんが、購入当時嬉しくて撮影した写真をたまに見ますと、色焼けも殆どしていない真っ白な状態で写っています。タバコを吸う環境に置かれていたという事もありますが、私の手垢や汗が浸みこんでいるのは間違いありません(笑)
今でも商品とは別に、Jeff以外に複数のストラトを所有していますが、それらが”一生もの”か?と言えば、あくまでもコレクションであって”一生もの”という表現は充てはまらないと思います。よってJeffと同格のギターというのは存在しません。
そういう意味では、前述のコラムニストの言う”一生もの”を乗り越えていないのでしょうね・・・
もしくは、私自身の中で”もの”という感覚を超越した存在に昇格してしまったのかも知れませんね!
”一生もの”という表現を、商品を提供する側の私達が軽々しく使ってはいけないのかも知れません・・・
でも私自身、その出会いがあり現在に至る過程は本当に充実し幸せでした。
ギターと言う機材に絞って考えても、自身のサウンドに悩んで一時別のギターを手にしても、自分の基準がしっかりしているのでぶれませんし、アンプ選びに関しても、Jeffを基準にイメージしたトーンにより近いアンプに買い替えて行けば良かったので凄く楽でした。
”一生もの”と出会え、それを手に入れた瞬間の高揚感は文章で表現するのは不可能ですが、私の経験上忘れ得ないと思います。
その選択や決定は、ご自身で行なう行為となりますが、私自身で納得して仕入れたStrato-Crazyの商品や、私のコメントがその一部をお手伝い出来ればハッピーだと思っております。
Update:2011.04.17 *60年代のフェンダー・カスタムカラー(ソニック・ブルー)のストラトキャスターに関する私見
桜の花を楽しむ時期も一瞬で終わってしまいました・・・今年こそ新宿御苑に花見に行こうと思いつつ、またその時期を逃してしまいました。
因みに、新宿御苑は入園料を徴収されますが、敷地も広くかなりの種類の桜の木があり、また酔っ払いの宴会等もなく、純粋に桜を楽しむスポットとしてはお勧めです。(笑)
4月に入り、久し振りのヘビー級カスタムカラーのストラトとして、64年製「ブラック」が入荷しました。
ご存知の方を多いとは思いますが、私自身は「ヴィンテージ・ストラトキャスター」の内でも特に、「カスタムカラー・ストラト命」なので、本来であれば、機会ある毎に「カスタムカラー物のストラト」を仕入れて、皆様にご紹介させて頂きたいのが本音なのですが、実際には「カスタムカラーのストラト」はかなりの高額商品となってしまい、単純にビジネスとして考えた場合には、昨今の経済情勢下では中々仕入れる事自体がリスキーな面がり、海外のコレクターからのオファーに対してもその大半を断るという、身を切る様な辛い日々を過ごしておりました。
今回も本来であれば話を貰った時点で「今ビジネスを考えたら買えない!」と断るパターンだったのですが、オファーのカラーが、オリジナルの「ブラック」で、しかもスパゲッティー・ロゴ、ブラック・ボビンPUの63年仕様・・・という事だったので、迷うことなく一瞬で話を決めました(笑)
去年のブログにも書かせて頂きましたが、「ブラック」とういうカラー自体、現在ではギターのカラーとしては一般的ですし、地味な印象を受ける方も多いと思いますが、フェンダーのカスタムカラーで、特に60年代中旬頃までは、実際には殆ど存在しない「スーパー・レアカラー」扱いとなります。
まして63年仕様となると、その存在は更に少なく、カスタムカラーに興味のない方には意外かも知れませんが、数年に1本市場に出て来れば良い方だと思います。
今回の入荷商品に関しては、当初の私の予想に反し、たくさんの方々からのお問合せを頂きました。
実際に商品としてお店に展示出来たのは2日間のみで、直ちに「商談中」扱いとなり、1週間後にはお客様に引き取られて行きました。
高額商品ではありましたが、興味を持って頂けたお客様が大勢おられたのは嬉しい驚きでした。
実際には、9割近い金額の下取りが入った関係で、ビジネスとしては”最高”とは言い難い状況ではありますが、「手持ちのギターを手放してでも是非手に入れたい!」と興味を持ってご商談頂けるお客様がおられ、お話が決まった後も、多くのお客様から、「キャンセルになったら連絡が欲しい」というお問合せを頂き、久し振りに充実した時間を経験させて頂きました。また、仕入れたギターも、「ずっとオリジナル・ブラックのストラトを探してました!」というお客様にご所有される事になり、幸せではないかと思っています。
改めてご興味を持ってお問合せを頂きました皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます!
HPをマメにチェック頂いているお客様は既にお気付きかも知れませんが、今度は64年製のオリジナル「ソニック・ブルー」のストラトが入荷致しました。スパゲッティー・ロゴ、ブラック・ボビンPUの63年スペックですが、Neckのデイティングは64年7月、PUはブラック・ボビンに黄色のデイト・スタンプ(JUN
2 64のマッチド)と、64年中期仕様となります。
実際にはそれなりにPlayされてきた固体で、Bodyカラーも経年変化で色焼けし、細かいウェザー・クラックがビッシリ入った、貫禄のLooksと、独特なオーラを放った1本です!
てな訳で、今回はヴィンテージのカスタムカラー・ストラトキャスター(特にソニック・ブルー)に関し、思いつくまま書かせて頂きたいと思います。
ストラトが誕生した1954年より、Bodyカラーは「Sunburst」が標準で、56年より当時のテレキャスターとプレジション・ベースの標準カラーだった「Blond」がオプションとして追加料金を払えば選択となっていました。
反面、サンバーストとブロンド以外のカラーに塗られたストラトキャスターは、誕生した1954年より既に存在していました。(当店でも54年製に「ブルー」のストラトを扱った経験があります)
但しそのカスタムカラーのほぼすべてが、ミュージシャンからフェンダー社への直接オーダーで対応されたギターで、一般ユーザーがカスタムカラーのストラトを手に入れるのは1960年以降となります。
フェンダー社は1960年に「カラー・チャート」と呼ばれる色見本サンプルを製作し、各ディーラーや特約店に配布し、通常料金の10%増しにてそのチャート内のカラーの選択注文を受けるシステムを確立しました。
(50年代のフェンダー・カスタムカラーに関しては、実際に正式なカラー名称が設定されていた訳でもなく、また現存する固体も極めて少数で、フェンダー・ヴィンテージの究極のコレクターズピースとなっています)
上段左:60年製カラー・チャート表紙&中味、上段右:63年製カラー・チャート(60年製に対し「Shell
Pink」が削除され「Candy Apple Red」が追加されます
下段左:65年製カラー・チャート(63年製に対し14色中6色が入れ替わります)、下段右:66年製カラー・チャート(内容は65年製と同じ)
画像でお判り頂ける通り、本「カラーチャート」は小さなアルミ片にBodyカラーの塗料を塗布した極めてシンプルな物で、各14色が設定されています。(それ以外にテレキャスターの標準カラーの「ブロンド」を含めた15色が「カスタム・カラー」となります。
またサンプル片の横にフェンダーが命名したカラー名、サンプル片の下側に塗料メーカー・デュポン社の塗料コードが記載されています(尚「Candy
Apple Red」はフェンダー・オリジナル・カラーとなるため、塗料コードの設定はありません)
60年以降の「カスタムカラー」に関しても、一般ユーザーがショップでこの「カラー・チャート」を見て個人単位でオーダーするシステムではなく、ショップやディーラー単位でフェンダー・セールスに注文する際に、指定をしていたと考えられます。
また、実際ストラトキャスターのカスタムカラーの存在を検証した場合、60年〜62年の、スラブ・ローズNeck仕様期に関しては、テレキャスターの標準色として広く一般に認知されていた「ブロンド」カラーと、この時期のイギリスの人気インスト・バンド、「シャドウズ」のギタリスト”ハンク・マーヴィン”のトレードマークとして一般に認知された「フェスタ・レッド」カラーの2色を除けば、カスタムカラーの存在自体が”レア”と言える状態で、一般には認知されていなかったと推測出来ます。
その後、63年前後より音楽シーンを席巻した「サーフ・ロック(サーフ・ミュージック)」によって世界は一変します。
「サーフ・ロック」のギタリスト、べーシストにフェンダー製品を使用するミュージシャンが多く、また彼らの多くが音楽性をアピールする1ツの手段として、、のカスタムカラーのギターやベースを手にした結果、フェンダー社の「カスタムカラー」のギターは一気に一般ユーザーに浸透して行きました。
実際に、63年頃を酒井に、「カスタムカラー」各色のストラトの現存本数が飛躍的に増加します。
この時期から白系カラーと言えば、以前であればテレキャスターの標準色の「ブロンド」と思われていたものが、「ビーチ・ボーイズ」が手にした事が火付け役となり、「オリンピック・ホワイト」が広く浸透し、現存本数も増えていきます。
また、フェンダー社全体で見た場合、この時期のフラッグ・シップModelと位置付けられた「ジャガー」と、同じく「サーフ・ミュージック」と共に一気にその人気に火が付いた「ジャズマスター」の2機種のギターに関しては、標準色の「サンバースト」に対する「カスタムカラー」の現存比率が5割程度に及ぶのではないか・・・と思える程カラー物が浸透していると思います。
また、63年にフェンダーが独自に開発しチャートに追加した「Candy
Apple Red」は、フェンダー・セールスのプッシュの甲斐もあり、発表と共にポピュラーなフェンダー・カラーとして広く認知・浸透し、以降生産が打ち切られる73年までの間、相当数のギター&ベースが生産されたと思われます。
ヴィンテージ・ギターというマーケットが世界規模で確立し、今日に至るまでに既に30年以上の歳月が経過しています。
その間に研究家やコレクター等が多くの書籍や文献を発表し、その中でもフェンダー社の「カスタムカラー」の世界は人気が高く、多くのギターが世間に紹介されて来ました。
前述させて頂いた通り、フェンダー社の「カスタムカラー」は、ディーラーなりショップ単にでのオーダーに基づいて生産されている以上、当時何らかの理由で人気があったカラーと、そうではなく殆ど注文されなかったカラーとに大別出来ます。
また「フェンダー・カスタムカラー」という世界がヴィンテージ・マーケットで確立された今日では、標準色のサンバーストに対し2〜10数倍と、そのカラーと製造時期によって異なる価値を認める、独特な領域が形成されていると思います。
当時人気がなかった(=殆ど生産されなかった)稀少カラー物のストラトに関しては、その価値は天文学的数字になってしまい、一般的な「ヴィンテージ・ストラトキャスター・ファン」には簡単に手を出せない、コレクター的な世界になってしまった様に思われます。
また、生産本数とは別に「人気のカラー」という存在は否定出来ません。その最たるカラーが「ソニック・ブルー」ではないかと思います。
実際には1960年の「カスタム・カラーチャート」の時に既に設定があり、その後幾度となく行なわれたカラーの入替えでも存在し続け、72年(73年初頭)を最後に姿を消すまでの長い間、チャートに存在し続けていました。
それ程長い期間「カラー・チャート」に存在していたという事は、単に「人気があった」と言うレベルではなく、しかるべき発注数が認めらた事を意味します。
実際にチャート上に存在した期間だけで比較すれば、63年〜73年の「キャンディー・アップル・レッド」に対し、「ソニック・ブルー」は60年〜73年初頭と3年も長くなります。
反面、現在皆さんが実際に目にするヴィンテージ・ストラトの本数を考えてみてください。
「キャンディー・アップル・レッド」のストラトキャスターに関しては、ヴィンテージ・ギターを中心に扱っている専門ショップであれば、何年製かは別にすれば、大概1本は在庫げ保有しているのではないでしょうか?
では、それより長い期間「カラー・チャート」に存在していた「ソニック・ブルー」ですが、ことストラトキャスターに関して追えば、日本全国のショップで、実際の商品として販売されている在庫は、数本あれば良い方ではないかと思います。
実際当店の場合を考えても、昨年72年製メイプルNeck物を販売して以来、久し振りの入荷となりますし、ことPre−CBS物の商品に限定した場合、実に4・5年振りの入荷となります。また72年製メイプルNeck物に関しても、HPや店頭展示に出す以前の段階でお客様が付いて販売させて頂いております。
私が「カスタムカラーのストラトキャスター」の魅力にハマリ、コレクションを始めて以来、「ソニック・ブルー」のストラトキャスターは実際にかなりの本数を見てきましたし、私自身数本は所有してきております。よって常日頃より「レア・カラー」というカテゴリーには入らないとと考えています。
反面、常に「レア・カラー」並みの高額プライス設定がされ、実際にその価格で比較的短期間で売れてしまってショップより姿を消しいるのも事実です。
この傾向は日本に限定した事象ではなく、ヴィンテージ・ギターの本場アメリカでも同様となります。(昨今では、アメリカ市場の方が「ソニック・ブルー」のプライス設定に関しては”強気”かも知れません・・・)
私自身の個人的な見解としては、「ソニック・ブルー」が、フェンダー・ヴィンテージ・カスタムカラーの中で、一番人気があと考えています。
また、欲しがって探している人が多いのに対し、市場に流通している商品が少な過ぎるため、高値安定傾向になっている思われます。
何故これ程までに「ソニック・ブルー」が世界的に人気があるのでしょうか〜
世界的な傾向として、赤系よりは青系のカラーの方が人気がある様に思われます。(「キャンディー・アップル・レッド」<「レイク・プラシッド・ブルー」、「フェスタ・レッド」<「ソニック・ブルー」)
また「ソニック・ブルー」から、フェンダーの生まれ故郷のアメリカのカリフォルニアが連想出来るからでしょうか・・・
「ソニック・ブルー」人気は、私がカスタムカラー・ストラトの魅力にハマッタ20数年前から変わっていませんから、今後劇的に状況が変化する事もないと思います。
でも何故なんでしょうね〜
Update:2011.04.10 *ご無沙汰しました〜
プログを前回更新したのが3月10日ですから、ちょうど1ヶ月が過ぎてしまいました。その間に東北・関東大震災が1月前の11日に発生し、未だに詳細な被害状況も確認出来ていないのが実情で、同時に発生した福島原子力発電所の被災と放射能漏れと共に、被災された方々、身内やご友人に被災された方が居られる皆様に、この場をお借りして改めて、謹んでお見舞い申し上げます。
また震災発生直後から、海外在住のお客様や取引のあるディーラーや出版関係の方から、毎日の様に「大丈夫か?」とか「何か困ったことはないか?」とか、「原発が落ち着くまで、アメリカに来ないか?」等の励ましのメールを貰い、”1人じゃないんだ”と改めて実感させられました。嬉しいものですね!
早いもので4月を迎え既に1週間が過ぎ、日増しに暖かさが増すと共に、東京近郊では今週末が桜のピークと言われ、春真っ盛りとなりましたね!
花粉症の方は「まさに花粉の飛散も真っ盛り」という事で、マスクや鼻炎薬が手放さない憂鬱な毎日かも知れませんが、今年も「花粉症デビュー」を免れた私は、厚手のダウンジャケットやヒートテックから開放され、身軽になって今この瞬間を楽しみたいと思っています。
1ヶ月ご無沙汰でしたが、「書くネタがない!」という訳ではなかったのですが、何気に毎日何かしらするべき事があり、それを処理している内に1日が終わってしまう・・・といった具合で、中々ゆったりとした気分でパソコンに向かう事が出来ませんでした。
昨年末以降、ショップに足をお運び頂きましたお客様はお気付きだとは思いますが、お越し頂いても女性スタッフが1人居るだけで、私が居ない・・・というのが最近の当店の日常の光景となっております。
ショップの営業時間内は、余程の用事が入らない限り、私は店に出社しておりますが、その殆どの時間をバックヤードでのギター調整に費やしているのが実情です。
2002年12月の開店以来、当店には私の友人の松野君が「ギターメンテ・調整専任スタッフ」として常駐しておりましたが、この1〜2年体調を崩し休みがちとなり、昨年12月には「当面療養に専念する」という事で、退社しております。心身共に復活したらまた戻って来る予定にはなってはおりますが、今現在その可能性も時期も未定となっております。
よって今の”Strato-Crazy"は、私と女性スタッフの2名という最小人員で廻しているのが実態です。
しかも当店は(というか私自身がお店を持つ前提としてのポリシー)として、「販売する商品は、ショップ在庫品・委託販売商品の区別なく、完全な状態に調整・セッティングを行った物のみを販売する!」事を信条としておりますので、必然的に多くの時間を費やす結果となってしまいます。
ショップに居る女性スタッフも、開店以来のツワモノですので、価格等の基本的な事柄から、ヴィンテージ・ストラトの領域に踏み込んだ専門的な事柄まで、広くご質問にお答え出来ますので、ご来店の際には何なりとお気軽にお尋ね下さい。
もちろんバックヤードには大概私も居りますので、試奏や購入・下取り・買取り・委託等のご相談の際には、女性スタッフにお声をお掛け頂ければ、最優先にて対応させて頂きますのでよろしくお願い致します!
また、私がショップ内に出ている場合には、大概パソコンのキーボードを叩いて格闘していると思います。
入荷商品の調整・セットアップが完了した次に行うのが、ギターの詳細画像を撮影し、そのデーターを「カルテ」と共に整理します。次にそのデーターに基づき、当社ホームページ及びデジマート上へ商品情報をアップする作業が続き、一環すると1本のギターをすべて処理するのに、約1時間程度を要する作業となります。
「あのお店のスタッフは、客を無視してずっとパソコンをやっている!」などと2チャンネル等で非難されそうですが、ゲームやネット・サーフィンをしている訳ではありませんので、ご勘弁頂きたいと思います。(笑)
また、仮にパソコンと格闘中であっても、商品に関するご質問等がございましたら、随時お気軽にお声をお掛けくださいね!
と、言い訳半分の前置きが長くなってしまいましたが、今回は昨日あるお客様からお電話にてお問合せを頂いた内容を書かせて頂きたいと思います。
ご相談の内容の概要は簡単に要約しますと、以下の通りとなります。
「今現在メイン・ギターとして69年製のストラトを愛用し、実際にかなり気に入っている。但しもう10年程使用しているので、PUがいつ断線して音が出なくなるか心配で、将来の事を考えると、予備のPUを手に入れて、オリジナルPUは温存を検討している。69年製のヴィンテージ・ストラトのキャラクターを損なわないお勧めのリプロのPUを紹介して欲しい!」
私が考えるに、今回ご相談頂いた方のポイントは以下の何点になると思います。
・現在69年製ヴィンテージ・ストラトを実際に所有されている。
・その69年製を実際にPlayされ、そのサウンドをかなり気に入っている。
・将来に渡って今後も長く付き合って行きたいと思っている。
このお客様にも最初にお話しましたが、[形あるモノはいくかは壊れる」ではありませんが、PUに関してもいつかは断線し、音が出なくなる時期が来ると思います。それが明日なのか、来月なのか、来年なのか、5・10年後なのかは誰も判りません。実際に当店でも商品が入荷し、調整・セッティング後の店頭に出して以降、その在庫品を順次弦交換を行い、再調整を行っていますが、年に1本程度は、店頭に出して以降のディスプレイ中にPUが死んでしまっているギターが見付かります。
PUが断線してしまう最も多い原因は、Play中の汗でポールピースが錆びてしまい、その”赤錆”が浸食してワイヤーを切ってしまうケースです。この場合はヴィンテージに限らず、現行ギターにも当て嵌まりますので要注意です。(要はギターを弾き終わった後、汗等の水分は乾いた布で拭き取ってからケースにしまってください)
その他では、理由は定かではありませんが、弾かないで置かれたギターでPUトラブルが発生するケースが多い様に思われます。
前述の当店の場合でも、PUトラブルが見付かる商品は、店頭に出して以降試奏される機会が少なかったギターに多く見受けられますし、地方在住お客様からの委託販売や買取りのご相談を受け、実際にギターが送られて来て検品した際に、PUトラブルが見付かりお電話してお話をお伺いすると、大概のお客様が「実はもう何年も弾いていない状態でした」とのお答えが帰って参ります。
実際のPUトラブルですが、まったく音が出ないケースと、出力は半分程度でも音は出るケースがあります。
多少なり音がでる場合、その問題のPUがブリッジ・ポジションの場合には、その出力が半分程度に落ち、カリカリの音しか出ないので、すぐに”おかしい!”と気が付きますが、センターもしくはフロント・ポジションの場合、弾いただけでは以外に気が付かない場合もあると思います。
PUトラブルの最終判断は、テスターにて行いますが、前者の場合には直流抵抗値はゼロ・・・というかテスターの針はまったく反応しません。また後者の場合には通常健全なストラトPUが5〜6KΩの直流抵抗値に対し、3桁程度大きな数値を出しますのですぐに判ります。(実際にはPUの不具合判定を考慮すると、テスターはデジタル表記のモノと、針式のアナログモノと2ヶ用意しておきたいですね)
では実際にPUトラブルが発生した際にどう対処するか・・・となりますが、エレキ・ギターであり以上、音が出ない・・・もしくは出音がおかしいギターはその機能を果たしていませんので、選択肢は単純に2ツしかないと思います。つまりは「修理する」か「別のPUに交換する」かです。
前述の「修理する」と言うのは具体的には「巻き直し(リワインド」という作業になります。
専門知識と技能を持ったリペア・マンにお願いし、そのビンテージPUの当時使用されていたワイヤーと同じモノを用いて巻き直せば、音色を含め作業完了後の出音が、以前に比べ大きく変わってしまった・・・という不満を感じる事はないと思います。
この場合、直接リペア・ショップにご自身で持ち込まれるよりも、そのギターを購入したショップにギターを預けて作業を依頼し、ギター・ショップからリペア・ショップに作業を依頼するといった、1クッション入れて対応をお願いするのが良いと思います。
というのは、PUは「音のキャラクターを決定付ける」重要なパーツである以上、そのトラブル及びその対処は、ヴィンテージ・エレキギターにとってはかなり重要な事となります。
実際にPUのリワインド作業は、その専門知識とノウハウ、またコイルを含めた器材保有の有無等、かなりその作業結果には開きが生じるのは仕方がないと思います。
仮にご自身でリペア・ショップを探して作業を依頼した場合、その作業結果に満足出来なくても、それはそのショップを選んだ貴方が悪いという、「自己責任」となってしまいます。
但し、仮にそのギターを購入されたショップを通して「巻き直し」のリペアを依頼された場合には、その作業を依頼するリペア・マンの選定自体はそのショップ責任となりますので、作業完了後、実際に納品時に再度サウンド・チェックを行った結果、巻き直しを行ったPUと、他のPUの出音が明らかに異なっていた場合には、正当な権利としてクレームを付けれると思います。
(別の私のコラム「後悔しないヴィンテージ・ストラトキャスター選び」のも書かせて頂きましたが、ヴィンテージ・ギターは国産の自動車の様な「メンテ・フリー」では決してなく、購入された時点から、ギターを通じてショップとの付き合いが始まります。ヴィンテージを専門に扱っているショップは、必ずレペア・マンなり工房との付き合いがあり、その依頼先の選択も、そのショップのノウハウなりコダワリの一部分と評価すべきだと思います)
ではもう一ツの選択肢「別のPUに交換する」ケースを考えてみましょう。
ここで、お電話でご相談された方の「お勧めのリプレイスメントPUを紹介してください」というご質問の答えになる訳です!
私は常日頃より、ヴィンテージ・ストラトのPUに関しては、オリジナルに勝るものはないと考えております。特に現在お持ちのストラトがヴィンテージであれば、仮にPUに不具合が発生した際に、リプレイスメントPUに載せ替えてしまったのでは、ギターが可愛そうだと思います。
もちろん50年代・60年代前半の「ブラック・ボビン」と呼ばれるPUは、PU単体で市場に流通する事も殆どないため、新たにオリジナルPUを探して載せ替える事は難しいと思いますが、69年製であれば多少なりと時間とお金を掛ければ必ずオリジナルPUを探すことは出来ます!
当社の場合、専門店ですので、全年代のストラトキャスターのオリジナルPUを複数セット、パーツ在庫保有していますし、また社内で起こったPUトラブルが発覚したギターは”商品”である以上、「巻き直し(リワインド)」では商品価値がかなり落ちてしまうため、当然在庫の同年代のオリジナルPUと載せ替えを行います。
但し、前述の「巻き直し(リワインド)」に関しては、依頼先の選択誤りさえ回避出来れば、「ヴィンテージ的な価値」は落ちてしまいますが、サウンド面では遜色ない結果が得られますので、リプレイスメントPUに載せ替えるよりずっと良い結果が得られますし、ギターも納得してくれると思います。
少し余談になりますが、お電話やメールにて「○○製のPUは、オリジナルと比べてどんな感じでしょうか?」とか、「○○年製をイメージして手持ちのストラトをモディファイしたいのですが、お勧めのPUやパーツを教えてください」とか、「トレモロ・イナーシャブロックを交換したら音が変わると聞いたのですが、どこの商品がお勧めですか?」といったご質問を、毎日の様にたくさん頂きます。
ご質問される方からすれば、当店は「ストラトキャスター専門店」なので、ストラトに関してはどこよりも詳しい・・・とお考えになって、お問合せを頂いていると思います。
大筋は正解なのですが、実は皆さんの認識の中で大きな誤りが1点あります。当店は「ヴィンテージ・ストラトキャスター専門店」なんですよ!
ヴィンテージが専門である以上、一部数量的な問題で単体販売は出来ないモノもありますが、もちろん各年代のオリジナル・パーツ、ケース等、すべて在庫で保有しております。
私自身、ヴィンテージ・ストラトを修理するのには、ヴィンテージのオリジナル・パーツを用いるのが大原則だと思っています。
それ以外にも、消耗パーツとしてのCTS製ポットやスイッチクラフト社製ジャック、交換パーツの王道のCRL製5点SW、ヴィンテージ・クロスワイヤー、ベルデン製ビニール・ワイヤー、各種インチ・スクリュー等をラインナップして日々対応しております。
反面、リプレイスメント・パーツに関しては、オリジナルでは入手困難なトーン・キャパシターを中心に、モントルーさんやRSパーツさんのレリック・パーツの一部と、Raw
VintageさんのPUやトレモロ・スプリングやサドル等を扱っているに過ぎません。
ことリプレイスメントPUに関しては、多数のメーカーから相当数の製品が発売されており、その実態すたら把握できておりません。
実際問題として、ヴィンテージ・ストラトには「オリジナルPUに勝るものはない!」と考えている以上、正直リプロPUには興味がないのですが、もちろん修理や買取り・委託販売等で入荷したギターに搭載されていた場合には、そのパフォーマンスは評価し、私なりの見解は持ってはいますが、皆さんにアドヴァイスが出来る程熟知している訳ではありません。
もちろん、数は少ないですが当店で扱っているリプロ・パーツは、すべて私自身が実際に使ってみて、そのパフォーマンスなりクオリティーやプライスに納得し、皆さんにお勧め出来る商品しか扱っておりません。但しそれ以外の製品に関してご質問を頂いても「専門外」となり、お答え出来ない点をご理解頂きたいと思います。
当店で取扱いのないリプレイスメント・パーツや、各種リプロ・パーツに関するお問合せは、出来ればパーツ取扱い専門店さんの方にお願い出来れば幸いです!
話が思い切り本筋からずれましたが、ご質問を頂いた方には、最終的に以下の通りお答えさせて頂きました。
今まで10年以上69年製ヴィンテージ・ストラトを弾き続けて来られたのですから、将来起こりえるPU等のトラブルを考慮して、今そのギターを引退させて他の現行ストラトに持ち替えたり、PUを現行のリプロ物に載せ替えるのは、ギターが可愛そうですよ!また弾かなくなった場合の方がPUトラブルが発生する確率も増す可能性があります。
仮に将来PUにトラブルが発生してしまった際には、その時点で最良の対処法を考えて実践すれば良いのであって、今考えて対処すべきタイミングではないと思います。
それよりも日々弾いてあげて、弾き終わった後に、ちょっとしたお手入れを欠かさず、愛情を持って接してあげるのが最良の方法だと思います!
私自身、61年製のオリンピック・ホワイト(通称:Jeff)と付き合い既に20数年の歳月が経っております。
その間に、フレットのすり合わせを数回、リフレットを1回、チューナー交換が2回、サドルのイモネジ交換、ポット&ジャック交換等の消耗パーツの交換・メンテは行なっていますが、PU等のトラプルには遭遇しておりません。
お気に入りの自身のパートナーとは、是非末永く付き合ってあげて頂きたいと思います!
Update:2011.03.10 *Neckが固定されて外せないストラトキャスター・・・・
3月に入り、世間では「花粉症」の方々には辛い季節がやって来ましたね!
私自身は今現在症状が出ていないので、今年も大丈夫みたいですが、身近に「花粉症」で悩んでいる人が多く、今はそれぞれの「花粉症対策」がお店のホットな話題となっています(笑)
ニュース番組等を観てても、今年の花粉の飛散は例年の10倍!と言っていますし、何となく目が痒い様に感じるたり、無性にクシャミが出たり・・・と「花粉症」にあてはまる症状が出る今日この頃・・・私もいよいよ「花粉症デビュー」かも知れません。
今日は、買取り査定を希望されたギターを検品させて頂いた際に経験した、久し振りに「ストラト・ネタ」を書いてみたいと思います。
当店の場合、お客様が所有されているヴィンテージ・ストラトの鑑定等は行っておりませんが、ストラトキャスターの委託販売もしくは、買取りをご希望されるお客様がご来店の場合、お客様と一緒に詳細を検品させて頂いております。
通常の手順としては、先ずはギターをアンプにプラグ・インして、PUの状態やポット・SW・ジャック等の接点やガリの状況、音詰まりやビビリ等をチェックし、その後は各パーツ状態を確認して行きます。
その時点で、オーナーさんの許可を頂き、NeckをBodyから外しネックやロッドの現状と状態、ネックのデイティングを確認すると共に、ネック・ジョイント・キャビティーで、Bodyの材質やフィニッシュのオリジナル判定等を行います。
ある意味、ネックを外す工程は「検品」の初期・必修事項となります。
先日あるお客様が持ち込まれた77年製ホワイト・ローズNeckのストラトを検品していた時の事です。
3本のスクリューとネック・プレートを外ずし、ネックをボディーから外そうとしましたが、ネックに多少力を掛けてもビクとも動きませんでした・・・
BodyからNeckを外す行為は頻繁に行うものではないため、スクリューを外しても、Bodyの塗料とネックの塗料が反応し、圧着状態となっているケースも多く見られますが、その場合でも、ネック裏に多少の力を掛けてあげれば、通常何の不具合もなくネックを外す事が出来ます。
但し今回の77年に関しては、まったく動く気配が感じられませんでした。
オーナーさんにお伺いしたところ、中古で購入して以降、ご自身でネックは外しておらず、また購入時にネックを外してデイティングを確認したり、ネックが外された画像を確認する事をしなかった・・・との事でした。
77年製「ホワイト/ローズNeck」のストラトで真っ先にイメージ出きるのが「リッチー・ブラックモア」・・・確か彼の愛器の「ホワイト/ローズNeck」は、Neckの密着度を向上させる目的で、NeckとBodyは接着剤で固定されているのではなかったでしたっけ・・・
本ストラトも、以前のオーナーさんが「リッチー・ファン」で、彼の愛器同様にNeckとBodyを固定してしまった可能性は否定出来ません。
仮に固定されていた場合、ヤミクモにNeckに力を掛けたり、BodyとNeckの隙間に刃物等を入れて剥がしていく作業は、NeckやBodyを傷めてしまうため出来ません。
まして、お客様が見ている目前で無理やり作業し、NeckもしくはBodyを傷めたりしては、それこそ「お客様の言い値で買取り」になってしまいます(笑)
仮にNeckとBodyが固定されてしまっているギターの、ネックを外す作業となりますと、基本は固定している手法を判定し、その手法に最適な剥離方法で対処する事になります。
何れにしても、店頭で手持ち工具で対応する事は不可能で、リペアを専業とされている職人の方お預けし、対処して頂く他ありません。
また、仮に最適手法で対応しNeckを外す事が出来たとしても、完璧な形で外す事はまず不可能で、NeckもしくはBody側に何らかの傷跡が残ってしまいます。
この状況下で考えられる対処方法は、現状のNeckが外れない状態のまま販売する・・・という事になりますが、ネック・デイトすら確認出来ない未検品状態で、しかもネックが固定されているという事は、77年製の場合には、3点止めの”マイクロ・ティルト機構”等は機能せず、仮に販売前の調整・セットアップでPlayして頂ける状態に仕上げる事が出来たとしても、販売後の保証を行う事は難しいと思われます。
よって最終的には、外部のリペアに方にお願いし、時間とお金を掛けてでもしっかりNeckを外し、尚且つ外したBodyとNeckに、多少なり傷が残ることを前提にした販売価格で、一応当社の利益が出る買取り価格・・・というのを算出・ご提案させて頂きましたが、正直かなり安い金額になってしまいました。
オーナーさんには「現状弾けない状態ではないので、今回は売却せずに引き続きPlayを楽しまれるのが良いですよ〜」とお話し、ギターはお持ち帰り頂きました。
正直お持ち帰り頂いてしょっと安心しなのは事実です(笑)
リペアの方にお願いし、Neckを外す事が出来ない事は絶対にないと思いますが、外すた後の状態を買取り時点で予測することは不可能なので、かなりリスクが伴います。
また、当社の様なヴィンテージ専門店が、Yahooオークション等で見られる「ノークレーム、ノーリターンの現状販売!」という対応を世間の皆様が許して下さる訳もありません・・・
結果的には、「Neckが外せないストラト」は扱えないって事になると思います。
皆さんが所有されているストラトは大丈夫ですか?
普通ストラトを新品もしくは中古で購入され、購入された後にご自身でネックを外す事は殆どないと思います。
(逆にネックを一度外せば、すべての調整・セットアップはやり直す必要がありますので、軽い気持ちでNeckを外す行為はお勧めしません)
新品で購入される場合は問題ないと思いますが、ヴィンテージや中古を購入される場合には、ネックのデイティングやロッド状態を確認する意味で、購入時にNeckを外して見せて貰うか、最低でもNeckを外し状態の画像を確認させて貰う事は大事かも知れませんね〜(そうすれば、Neckが固定されているストラトを買ってしまう事は避けられますね!)
オークション等の個人売買の場合でも、ネックのデイティングやロッド状態を確認する意味で、画像を確認すると共に、「ネックはちゃんと外れますよね?」と一言確認するのも良いかも知れません・・・
また、現在お持ちのストラトで、ネックが動く・・・という不満をお持ちの方、絶対にネックを固定させるなんて考えないでくださいね!(笑)
ネックが動いてしまう事象も、ちゃんとリペアで対処出来ますよ!
そんな当店でも、実は過去に1度「Neckが外れない」状態の63年製のPlayer’s
Vitageストラトを販売した経験があります。
そのギターの場合、固定されたNeckが真っ直ぐで状態も良く、十分Playに耐えられると判断し、セッティングを行い「ネックが固定され外れません」という条件で、相当安い価格で販売させて頂いた記憶がございます。
余談ですが、そのネックが固定された63年は、後日オーナーさんのご依頼を受け、リペアの方にお願いしNeckとBodyを丁寧に分離させ、その後リフレット、リフィニッシュもされて、今でもご購入頂いたオーナーさんの愛器として、可愛がって頂いております。
Update:2011.01.30 *買い逃したギターについて
毎日寒い日が続きますね〜また、ぼちぼち花粉も飛び始めたみたいですが、皆さん如何お過ごしでしょうか?
早いもので1月も明日で終わりですね!
私の場合、何もせずに1ヶ月が終わってしまった感があります。
年が明けてからも、寒い日が続く中、毎日お客様がご来店頂きありがたい限りです!
当店の場合、専門店という事と、神田というマイナーな場所に立地している関係で、偶然近くを通ったのでちょっと覗いてみた・・・というお客さんは皆無で、皆さんそれなりに探している物があったり、お目当てのギターがあったり・・・何れにしても、弊社HPをご覧頂いているお客様が殆どとなります。
そんなお客さまとお話すると、「以前HPに載っていた○○に興味があって、HPずっと見ていたんですよ。売れちゃいまいしたね!同じ程度のスペック・価格帯の商品の入荷予定はないですか?」的なお話が必ず出てきます。
また同様に、在庫ギターが売れて、HPとデジマート上で「Thank
You Sold!!」もしく「商談中」の表示に変更した途端、「HOLDのキャンセルの可能性はありませんか?仮にキャンセルになった場合には買いたいので連絡貰えませんか?」とか、「同じ様な商品の入荷予定はありませんか?」とのお問合せのお電話が必ず入ります。
それぞれの在庫商品毎に、ご興味を持ってウォッチして頂いているお客様が複数おられるという事は、嬉しい限りなのですが、現行量産商品ではないので、すべてが”1本モノ”である以上、「同等スペック・同等価格帯」というのは実際に不可能だと思います。
スペック的に同等レベルのストラトであれば、レア・スペック物やカスタムカラー物でなければ、次に出てくる可能性はあるますが、価格に関してはヴィンテージの場合”時価”の要因が強く、その時・その時のベスト・プライスを目指してはいますが、特に売れてしまった商品が「Special
Price品」の場合には難しいでしょうね・・・
私の「後悔しないヴィンテージ・ストラトキャスター選び」でも書かせて頂きましたが、仮に興味を持っていたギターを買い逃してしまった場合には、「出会いがなかった」と諦めて、早々にその存在自体を忘れた方が良いと思います。
私の経験上も断言出来ますが、人間の記憶とはいい加減なもので、かなりの部分で「思い込み」の比重が高く、逃したギターへの思い込みが強ければ強い程、その記憶は”美化”されてしまいます。
実際に私の場合も、買い逃したストラトのオーナーさんを数年後に偶然見付け、買い逃したギターを譲って貰える様に直接交渉し、再度再会を果たした際に、「あれ!こんなストラトだっけ?」とがっかりした経験が何回もあります。
”美化”されてしまった記憶ほど性質の悪いものはなく、次に別のギターとの出会いがあっても、「前の○○の方が良かった」と、中々新たな出会いを認め様としないモノなんですよ(苦笑)
それが価格やコンディションという、ある程度目で見えたり、数値化出来るものであれば、単純比較で甲乙を付けられるのですが、こと「サウンド」だったり「フィーリング」の領域となってしまいますと、かなりヤバイ状況となります。(私の経験上も、イメージほど”美化”され易いと思います)
さすがに即断・即決せよ!とは言いませんが、私の経験上でも、買うか買わないか・・・この決断は1・2日あれば十分に出来ると、常日頃より思っています。
当社のHOLDシステムが「1万円をお預かりして1週間」にはそれなりに根拠があり、買う・買わないの決断に2日、あとの5日間は金策の時間だと思っています。
具体的には、2日間で購入を最終決断し、実際に手持ちのギターを下取りに出してクレジットを組むか、それとも他店なり友人に売却してお金を作るか・・・等の買い方かを考えるのに5日間費やすといった感じです。
仮に何日も掛けて”買う”という決断が出来ないギターに関しては、本当に「欲しい」と思っていないと考えた方が良いと思います。
もちろん購入資金が足りずに買えずに逃したギターの場合、これは”出会い”とか”欲しい”以前の次元の話で論外ですが・・・(笑)
何れにしても、ヴィンテージ・ストラトに関しては、安い買い物ではないので、俗に言う「衝動買い」は皆さんもしないと思います。
それぞれの皆さんがお持ちの「音」「Looks」「スペック」「バランス」「価格及び予算」等の要因で選択され、最終的に「購入」か「見送り」という何れかの決断に至る訳ですが、要はそのギターに支払うべく対価以上の価値を認められるか否かではないかと思います。またその価値観は個人毎に相当に開きがあるのも事実です。
また「人に勧められた」という外的要因は、最終決断を下せない際には助けとなりますが、反面後の「後悔」の要因にもなり得ます。
私の場合、「自分で納得したものを買う」こそが始まりであり終わりだと思っていますので、当店の場合には、悩まれている商品を強力にプッシュする事は絶対にしません。
ご来店頂き試奏をされる場合も、セッティングはさせて頂きますが、後は基本的にはお客様自身にお任せで、終了後も感想はお伺いし、この感想に関するコメントはさせて頂きますが、それ以上のプッシュはしません。
(反面冷やかしを含め、買う気がないお客さんの場合には、その時点の雰囲気で判りますので、もちろんそれ以上の試奏も勧めませんし、場合によってはお断りもさせて頂きますが・・・笑)
また、複数のストラトで悩み、絞りきれない場合にも、それぞれのスペックを客観的に説明したり、私自身のコメントを付け加えさせて頂いたりはしますが、最終的には「クールダウンして1晩ゆっくり考える」方法をお勧めしています。
1晩ゆっくり考えて、翌日に買うつもりで再度来店し、その時点で売れてしまっていた・・・という場合には、それこそ「出会いがなかった」という一言に尽きると思います。
私の場合、過去に相当数のギターを購入していますが、数十年来のパートナーの「61年製ホワイト(Jeff)」を含め、すべてが出会いだと思っています。またそのJeffとの出会いで、人生まで変わってしまいました(笑)
もちろんお金がなくて買い逃したギターも多々あります。同じく金欠で手放したギターも多数あり、悔しい思いをしたり後悔したりの連続です。
でも、未だにヴィンテージ・ストラトへの興味や情熱を失わないでいられるのは、瞬時に気持ちの切り替えが出来ているからだと思っています。
(余談ですが、私の買う・買わないの決断は滅茶苦茶に早いですよ・・・笑)
皆さんも逃したギターに関しては、「出会いがなかった」の一言で片付けて、新たな出会いを追い求めください!
Update:2011.01.21 *"True Replica" Vinatge Compo "Jeff Beck Group" Stratocaster
久し振りに当社オリジナルの「True Replica
Vintage Compo Strat」を組上げましたので、この場を借りてご紹介させて頂きます!
(因みに「True Replica」とは、有名ミュージシャンが長年愛用しているギターの詳細仕様を徹底的に解析し、極力同じ年代・仕様のパーツを用いて、究極のレプリカを組上げるプロジェクトで、私の贅沢な趣味の1つです・・・笑)
最後に組上げたのが「Jeff Beck テレギブ」で、3年程前になると思います。、
「テレギブ」はご存知の通り、セイモア・ダンカンが自身で組上げたコンポギターで、Jeff
Beckは「Blow By Blow」のレコーディング中に自身のヤードバーズ時代に使用していた50sエスクワイヤーと交換で入手し、早々にレコーディングも使用し、その後70年代にはライブでもかなり登場したベック・ファンには思い入れのある1本だと思います。
このギターは、ダンカンが組上げたコンポという事もあり、Neck・Body・各パーツと、1本のベースとなるギターが存在しないため、企画時点からパーツ探しに3年程費やし、最後の高いハードルであった”ダブル・クリーム”と”ゼブラ”ボビンのオリジナルPAF・ピックアップを手に入れ完成させました。
<”Strato−Crazy”オリジナル
「Jeff Beck Telegib」 True
Replica>
この1本は正直色々と大変でした・・・パーツを探す工数と時間、掛けたお金・・・半端ではないです(苦笑)
一番金額が張ったパーツは、もちろんダブル・クリームとゼブラのオリジナルPAF・・・一番工数が掛かったのはパーツはNeckで、66年ラウンド貼りローズNeckを入手後、一度ローズの指板を剥がして、メイプル指板をスラブ仕様で貼り直しています。(デカールもしっかり残ったかなり状態の良いネックだったので、流石に後ろめたさがあり、中々作業GOが出来なかったのを、よく覚えています)
それ以降現在は、リッチー・ブラックモアのDeep
Purple期の「黒の貼りメイプルNeckのストラト」、同じく「サンバースト・1ピースメイプルNeckのストラト」、Rainbow期の「ホワイト・ローズNeckのストラト」、インギーの「50sメイプルNeckのキャンディー・アップル・レッド」のストラト、デイブ・ギルモアも「ブラック・ストラト」を企画し、ゆっくり時間を掛けてパーツ等を調達中です。
今回完成したのは、第二期ジェフベック・グループでJeffがPlayしていた、50sメイプルNeckの剥しナチュラルのストラトです!
「Definitely Maybe」のPVをご覧になってご存知の方も多いとは思いますが、一般的にはちょっとマイナーな存在で、後日50sメイプルNeckを73年製ブレットHeadのローズNeckに差し替えたギターの方が、「Live
Wire」のジャケットでJeffが持っている写真が紹介されたり、78年来日時の公演パンフにその写真が使われたりで認知度は高いと思います。
私自身、後述の「Live Wire」仕様のストラトは既に組上げていますが、「第二期ベック・グループ」仕様に関しては、その時点では作ろうとは思っていませんでした。
昨年お客様から「第二期ベック・グループ」の5曲演奏されたスタジオ・ライブ映像を頂き、その気持ちは一変しました!
「Definitely Maybe」が収録されたスタジオ・ライブに、フル・バージョンが存在するとは知りませんでした・・・しかも変な画像処理や編集なしの一発撮りで、全曲剥しナチュラルの50sメイプルNeckストラト弾きまくり!
早々DVDの静止画像で更に詳細のパーツ仕様を解析し、今回無事完成に漕ぎ着けました。
このストラトもスペック上は謎の多いギターで、Jeffが以前から所有していたストラトに手を加えた・・・と考えるよりも、このメイプルNeckの塗装が剥がされた状態でJeffが手に入れ、使用し始めた・・・と考えた方が自然だと思います。
ベースは、56年後半〜59年のアルダーBody・メイプルNeckのストラト
Body塗装は剥がされ、ヘッドのフェンダー・ロゴ等もなくなってしまっています。
特徴はピックガードで、59年〜63年中期の通称「ミント・グリーン」と呼ばれる3プライ物が装着され、しかも1弦ホーン部分で斜めにカットされ、丸穴が明けられています。
穴はギブソン系のトグルSW装着ピッチとなっていろのですが、ギターのBodyにはSWを装着するためのザグリ加工跡は見られないため、別のギターに使用されていた改造ピックガードを、このストラトに移植したと考えるべきだと思います。
次に我々の目を惹くのが独特の白いハット型のVolノブ・・・これはFenderが60年代中頃からアンプのノブに」使用した通称「ハット・ノブ」と呼ばれるモノですが、通常アンプ用のノブは黒のみで、白の「ハット・ノブ」は65〜66年の短期間のみ、Jazz
Masterに使用されています。(今回ももちろん65年製オリジナル・パーツを探し出しました!)
また細かく解析すると、フロントPUのみ54年及び55年の中頃まで採用されていた、3弦のポールピースが低い、通称「Short
G」と呼ばれる仕様となっています。
もちろん通常のポールピースが叩かれた・・・とも考えられ、可能性は否定出来ませんが、前回の「Live
Wire」ストラト作成時同様に、今回も「Short G」を前提に考察させて頂きました。
54年製「Short G」ピックアップの場合、その出力が55年以降のブラックボビンPUに比べかなり落ちますので、1本のギターに混在させてバランスを取るのは難しいため、今回も前回同様に55年オリジナル「Short
G」PUをフロントに、センターとブリッジは着磁方向を合わせるために、57年製オリジナルをチョイスしました。
もちろん55年製のオリジナル・ストラトで、「Short
G」と通常仕様のブラックボビンPUが1本に混在するケースは多々ありますので、彼のストラトも55年仕様で、最初からPUは混在していた・・・と考えたいのですが、55年にアルダーBodyのストラトは存在しません・・・よって「Short
G」ピックアップやミントグリーン・ピックガード等は、後に載せ替えられたと考えられる訳です。
<”Strato−Crazy”オリジナル 「Jeff
Beck Group」 True Vintage
Replica Stratocaster>
では実際の今回完成させた「Jeff Beck
Group」ストラトの仕様概要をご説明しましょう。
・Body:58年10月Dateのアルダー、Sunburstフィニッシュからの剥しナチュラル・・・塗装剥し後に染色処理
・Neck:57年1月Dateのメイプル・1ピース、ロゴ欠損、リフレット・ナット交換(チューナーはオリジナル・クルーソン・シングルライン、ストリング・ガイドも50sオリジナルを装着)
・PU:フロント 55年製オリジナル「Short
G」、センター&ブリッジ 57年製オリジナル・ブラック・ボビン
・トレモロAssy:50sオリジナル
・トレモロアーム:60年代初期オリジナル
・ピックガード:60年初期オリジナル・ミントグリーン・ピックガード
(但し完璧なパーツを切断・穴あけするのは忍びないので、割れの激しい難ありパーツが安く入手出来たので、それをベースに加工を施しました)
・PUカバー・Toneノブ・SWチップ:60年代初期オリジナル・パーツ
・ジャック・プレート&トレモロ・スプリングハンガー:50年代オリジナル・パーツ
・ポット:CTS250KΩ×3 (その他CRL製5点SW、スイッチクラフト製ジャック、Strato−Crazyオリジナル50sトーン・キャパシターを組込み)
<”Strato−Crazy”オリジナル 「Jeff
Beck Live Wire」 True Vintage
Replica Stratocaster>
こちらが以前組上げた「Live Wire」ストラトです。
Jeff Beckは、前述の50sメイプルNeckを、73年製ローズNeckに組み替え、かなりの頻度でソロ・ツアーで使用しています。
その結果アルバム「Live Wire」の裏ジャケットにも登場する訳ですが・・・
またその際に外された50sメイプルNeckですが、スティーブ・マリオットから貰ったとBeckが話しているシリアル#0062の54年製サンバーストのストラトに組み込まれ、1978年プレイヤー・コーポレーション発行の「The
BECK BOOK」のロンドン郊外の自宅訪問・機材紹介のページに紹介されていますね!
よって以下の2本のツーショットは実際にはあり得ないのですが・・・笑!
憧れの大好きなミュージシャンと同じ機材を持ちたい!ギターは始めた時からずっと持ち続けている夢ですよね!
色々な画像・雑誌の写真・当時のインタビュー記事や機材紹介記事を集め、解析しながら仕様を自分なりに想像・推測し絞り込む過程は正に至高の一時です!
現在ショップには展示スペースがないのでお見せする事は出来ませんが、近い将来何か機会がありましたら、展示し皆様に観て頂きたいと思っています!
Update:2011.01.15 *ギタリストという存在・・・
今日・明日とセンター試験・・・受験生のお子さんをお持ちの方はいよいよ受験シーズン到来ですね。
私の甥っ子も受験生で、まさに今日試験に臨んでいると思います・・・平常心で頑張れ〜
最近TVを見ていると、何気にCharさんがコマーシャルに出ていて驚かされます。
今は証券会社のCMがオン・エアーされ、少し前はビールのCMで中村勘三郎や妻夫木聡と共演していまたし、以前はパソコンや缶チューハイのCMにも出演していたのを記憶されている方も多いと思います。
我々楽器好きやRockファンにとっての「ギタリスト」はもちろん花形的な存在ですが、冷静に考えると一般社会での認知度は極めて低いと思います。
それが一般の方に商品をアピールする、テレビ・コマーシャルに起用されるという事は、それは凄いことなんではないかと思います。
もちろんクラッシックやフラメンコ・ギターの世界では、ソロ・アーティストが普通なので、あくまでRockというジャンルに限定してみたいと思います。
普通は「○○○」というバンドのギタリストの○○・・・となるのが普通ですが、単に「ギタリスト」として一般に認知されているってCharさんは別格なんでしょうね!
Charさん以外で「ギタリスト」として一般の方に広く認知されている方を考えて見ましょう。
布袋寅泰さんも広く認知されているお1人ですよね!(確か以前缶コーヒーのCMにも出てられましたね〜)
その他では野村義男さん、マーティン・フリードマンさんも最近結構メディア露出が多く、ローリーさんは2年程前のNHKの朝の連ドラにギタリストの役柄で出演されてましたね。
それ以外では「アルフィー」の高見沢さんも、「堂本兄弟」にレギュラー出演されていますね。あとたまにですが「シーナ&ロケッツ」の鮎川誠さんが、私が好きな「秘密のケンミンSHOW]に福岡県民代表で出演されています。
私自身あまりテレビを観ないのでmその程度の方々しか思い付きませんが、皆さんは如何ですか?
多少抜けがあるにしても、歌手やシンガーの方々や役者さんに比べると、ギタリストってマイナーな存在だと思いませんか?
例えばそこそこメジャーなバンドが解散し、ヴォーカリストや各ミュージシャンがソロ活動を行った場合でも、やはりシンガーが脚光を浴びるケースが多く、逆にギタリストは、解散したバンドと同じ程度にメジャーになる事は希な様に思われます。
よくヴォーカリスとギタリストの数だけバンドがある・・・って冗談で言ったりしますが、職業として飯を食っていくとなると大変なんだろうな〜と思わずにはいられません。
頑張れ、ギタリスト!
Update:2011.01.14 *”Strato-Crazy" Collector's Vintage Compo Strat
以前より当店に何度かご来店頂いたり、HPをご覧頂いているお客様はご存知だと思いますが、当店オリジナル・コンポとしての「Player's
Vintage Compo Strat」とは別に、「Colloctor's Vintage
Compo」というカテゴリーが存在します。
「Player's Vintage Compo Strat」のコンセプトは、ヴィンテージ・ストラトの魅力を、実際所有・Playして堪能して頂きたく、カスタムショップ・マスター・ビルダー物をご購入頂く予算内で、しっかりヴィンテージ・ストラトのトーン、Playフィーリングが再現出来るコンポ・ストラトとなり、言い換えれば「ヴィンテージ・ストラトの入門器」と位置付けさせて頂いております。
あくまでそのコダワリはサウンドとPlayフィーリングと、最終的な販売価格となります。
それに対し「Collector's Vintage Compo Strat」は、サウンドやPlayフィーリングは当然ですが、更にオリジナル・ヴィンテージでは不可能な、現在に通じるオリジナリティーとLooksにまで、そのコダワリを昇華させています。
大概が何かのパーツなりが入手出来た時にイメージが湧き、そのイメージを更に具体化し、具現化するために手間・暇・コストのすべてを度外視した、贅沢を極めた1本となります。
(言い換えれば、私自身の究極の道楽が具現化された1本だと思います・・・笑)
コダワリはストラトをベースとし、そのオリジナリティーですが、当然の事ですがその出音やPlayフィーリングは、もちろんヴィンテージ・ストラトとなります。
その答えは簡単・明瞭で、私は厳密には、フェンダー・ストラトキャスターが好きなのではなく、ヴィンテージ・フェンダー・ストラトキャスターが好きなのに他なりません。
私自身のすべてのコダワリを具現化したストラトが、私が好きなものでないはずかありませんよね!(笑)
前置きが長くなりましたが、実に4年振りに「Collector's
Vintage Compo Strat」が1本完成したので、皆様にお披露目したいと思います。
何故景気の悪い今なのか・・・実はBodyの象嵌自体は2005年には既に職人の方にBodyを渡してお願いしていたのですが、「納期は気にしませんから、時間時間が空いて気が向いた時に、少しづつでも作業してくだされば良いですよ!」と言ったら、本当に完成までに4年弱も時間が掛かってしまいました。
その後、Body塗装をお願いするクラフトマンの方にも、同様にコメントした結果、塗装上がりで納品されたのが2010年仕事納めの日・・・実に足掛け5年弱も時間を要してしまいました(笑)
以前発表した「70s Bonnie Pink Strat」同様に、ヴィジュアル重視のバンドのフロント・マンに持って頂くイメージで、更にFenderっぽくて目立つLooksとするため、BodyカラーはCandy
Apple Redを選択。
トーンのイメージはバッキング、リードPlayともにその存在感のある70年代、しかもアタック感と切れを重視してのメイプルNeck・・・更にLooks上のインパクトと、独特な低音弦のテンション感とサウンドを狙ってのレフィティーとしました。
(と言って都合良くレフティーの状態の良いNeckが見つかる筈はありません。実は2005年にコンセプトを決めてBodyの象嵌細工をオーダーした前後から、フル・オリジナルでコンディションが良く、Headの色焼けがない70sネックを数年掛けて探し続けた結果です)
Bodyは塗装が既に剥がされたオリジナルのアルダーBodyを使用しています(6弦側ホーン部のストラップ・ピンが内側に傾斜している仕様から判断して、72年〜73年初期のオリジナル・アルダーBodyですね!)
組み込むPUは74年製のオリジナル・グレイボビンSet、トレモロAssyも年代を合わせ、70年代中頃のコンディションの良い物をチョイスしました。
ポット、SW、ジャックは消耗パーツのため、CTS・CRL・スイッチクラフト社の現行パーツを選択。
ピックガードやノブに関しては、キャンディー・アップル・レッドのBodyカラーには、ホワイト・パーツが合うかな・・・と思っていますが、正直今現在も思案中です(笑)
仕上り状態にはかなり満足しています!
今はショップに展示するスペースがありませんが、また機会があれば皆様に見て頂きたいと思います!
また、今回の「70s Candy Apple Red/Lefty
Maple neck」の完成で、以前製作した「70s
Bonnie Pink/Maple neck」と基本コンセプトがダブってしまったため、ボニ−・ピンクも再アレンジさせて頂きました。
従来の70sメイプル・ネック+74年製オリジナル・ピックアップSetの組み合わせを、レンジが広く”ROCK”なトーンをイメージして、69年製ローズ・ネック+65年製オリジナル・グレイボビン・ピックアップSetに変更・組み換えを行いました。
Looksのイメージも若干変わりましたよ!